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東京家庭学校 平岡梨菜さん

はじめまして、平岡梨菜です。私は児童指導員をいま2年目で働かせていただいてます。私のユニットは、小学校1年生から高校3年生までの女の子が2人と男の子4人のユニットで働かせていただいてます。
もともとこどもがすごく好きだったんですけど、放課後の学童とかでも働いたことがあるんですけど、アルバイトで。それってそのひと時の関わりしかできないじゃないですか。でも、何か愛情をあげたいなじゃないですけど、ずっと関わっていって、その子を見てあげたいなっていう気持ちが強くて、それができるのが児童養護施設かなと思って。最初は児童分野に行きたいなぁぐらいの漠然としたあれだったんですけど、実習とかで東京家庭学校さんでも3日間実習をして、他の施設でも1か月実習をやらせていただいて、やっぱりやっていくうちに「いいな」と思いまして、児童養護施設を決めたって感じです。
その3日間実習の後に、実習担当の石井先生、永野さんから「育成枠職員っていうアルバイトになるんですけれども、やってみないか」って声をかけていただいて、ぜひやってみたいって思って。それを大学2年の1月から働かせていただいて、約2年ぐらいずっと育成枠で幼児寮に配属させていただいてやっていく中で、職員さんともいろいろ話せたりだとか、こどもの成長が目に見えてわかったりだとか、学童寮に送り出した子もイベントとかで会うと話せたりだとか、そういうつながりがすごくいいなと思って。他の施設も少しは迷ったんですけど、関わった子たちをずっと見ていきたいなって思ったり、職員さんたちがすごく素敵な方が本当に多いので、この方たちの下で学びたいなって思ったので、東京家庭学校に決めました。
幼児さんのときは、一人がすごい泣いちゃうと「見て欲しい」「構って欲しい」って全員が泣き出すみたいな場面もたくさんあったりだとか、ずっと誰かしらが泣いてたりだとか、そういった時に先輩職員さんは声かけで落ち着かせられたりだとか。でも新任だったり育成のときは、あるこどもには「職員じゃないでしょ」って言われたこともありました。やっぱり関係性をつくっていくことが難しいなって思って。でも育成のときから少し泊まり勤務も入らせてもらったんですけど、泊まりをやるようになって継続的な関わりができるようになると、こどももすごい話を聞いてくれたりだとか、それが苦労でもあり、やりがいというか楽しさでもあるかなって思います。

あとは、今年度から学童寮に異動しまして、幼児さんは「やってあげる」っていうことが多かったんですけど、一人じゃできないので。学童さんは「やらせる」というか、自立に向けての促しをしなきゃいけなくて、そこのギャップにすごい苦労をしました。私はやっちゃうけど他の職員さんはここもやらせてるっていうところの線引きがすごく難しくて。あとは声かけとか。「何とかして」って言われた時に「いいよ」って言っちゃうけど、他の職員さんは「じゃあそれについて自分で調べたの?」みたいな、こどもが主で動けるような声掛けをしてて、そういうのを日々、今も学ばせていただいてるって感じですね。そこがちょっと苦労かなって思います。
さっきも言ったんですけど、「職員じゃないでしょ」って言った子がいたんですけど、私が1年目になる時の人事発表をこどもと一緒に聞いてたんですけど、最初に退職者の名前が呼ばれて、その後に私、新任の名前が呼ばれたんですけど、私の名が呼ばれた時にその子が「私も辞めちゃう」と思って泣いたんですよ。アピールとかでもなく「平岡さんも辞めちゃうの?」みたいな感じで泣いてくれた時が、「求めてもらえるってこういうことなんだな」って感じで思ったり、やっぱこどもに求められる時がすごくやりがいを感じるなって思います。

あとは、異動の時、幼児寮から学童寮に異動する時に、職員さんからも手紙をいただけたり。こどもたちからも、コロナ禍でいろいろバタバタしちゃったんですけど、その後もこどもたちに会いに行ったりすると、「いつ泊まるの?」とか。その関係を作れてきたから求められてるんだなというのがすごく分かるというか、その関係が作れてきたことがやっぱやりがいかなって思います。
東京家庭学校は職員さんたち、先輩職員が本当に素晴らしくて、すごく皆さんフレンドリーで、新任の時や育成の時に話しかけてもすごく気さくに話してくださったり、1年目の時なんかは「大丈夫?」とか「仕事辛くない?」とか「休めてる?」とか主任層の方達も気にかけてくださったり、本当に寮舎の垣根を越えて心配してくださったりするので、すごく温かい職場だなっていつも感じています。

メンター制度とかチューター制度っていう、新人さんのメンタルや業務面をサポートしてくださるような、そういったプログラムというか、それもあるので、すごく充実して1年目を過ごせたなって感じてます。そういったところも一つの魅力だし、あとは新築になったので、4寮舎は。そういった面で新しくてきれいなところでこどもたちを養育できるっていうのはすごくいいなって思います。

※撮影当時の情報です。

施設概要

東京家庭学校
東京家庭学校では、「あかるくのびのびと、そして、やさしくたくましく」をモットーとして日々の養護にあたっています。

当施設では本体施設にあるユニットでもそれぞれで買い物から調理を担当職員が担っています。
時には買い物に子どもと行き、食材等について教えたり、一緒に調理をする中で、学校等の話をする場になったりすることもあります。
献立は、グループホームは毎日宿直の職員が考えますが、本体施設では栄養士が平日の献立を考え、土日祝日は宿直の職員が考えています。
季節を感じられる物や、子どもの食べたい物を聞いて献立を考えています。
また、子どもの誕生日には、リクエストメニューを用意したり、ケーキを職員が作ったりしています。
調理経験がないと難しいように思われますが、先輩職員や調理員・栄養士の方に教えてもらいながら皆さん頑張っています。

[自立支援]
自立支援担当職員が中心となり、高校生会の取り組みを行っています。
その中で、一人暮らしをする際に電気やガスの使用開始のために必要な手続きは何かを高校生自身が調べて発表したり、夏休みにインターンへ行ったりしています。
冬には卒園生を囲む会として、高校卒業後に退所した卒園生に来てもらい、退所までにしておいた方が良い事、退所してからの様子等を話してもらい、退所後の生活がイメージできるような取り組みを行っています。
退所が間近となっている高校生たちにとっては身近な先輩の話として、いい機会となっています。

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