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自立支援についての考察3

コラム

自立援助ホーム

2024/06/06 10:27
自立支援についての考察3
ASD(自閉スペクトラム症)。こだわりが強く、言葉を言葉の通り受け取りやすい。想像するのは苦手、
すべてを整然とルールに則って進めるのが好きというイメージでしょうか。
ASDはその名の通りスペクトラムで連続体。濃淡と言ってもいいのかもしれません。
誰しもがその濃淡の中にいるそうです。

ADHD(注意欠如・多動症)。ASDの対極的な存在。これを書いている私も診断はついていませんが確実に
ADHD。ポンッと予定が頭から飛んでしまう、ルールに縛られるのが嫌い、なぜかは分かりませんが正義感が
強い、興味関心がすぐに移る、感情の起伏が激しいような印象でしょうか。

先日、ホーム長と雑談をしていた際、「お世話になっている精神科医の先生から、『障害は環境も含めて障害』と
聞きました」という話がありました。
私も似たような話として、養老孟子さんが「畑の農作業をしていてADHDでも関係ない」とおっしゃっていたのを
聞きました。

私たち社会人も合わない環境にいれば適応障害になります。合わない職場、合わない家庭、合わないコミュニティ。

そう考えると発達障害とは一体何なのだろうと思えてきます。

ある物差しを置いたとき、右端にADHD、左端にASD、その間に一般的な人がいるのかもしれません。
どちらかに振り切っている人にとっては、中央値に合わせるのがしんどいのかもしれません。
しかし、その中央値に合わせようとしている“その考え方”自体が正しいのかは怪しい気がします。

では、反社会的な行動をするのはいいのか。周りの人が目を顰(ひそ)めるような行動をしてもいいのか。
この問いに関しては、発達障害と反社会的な行動を結びつけることに正当性があるのでしょうか。
また、周りの人が目を顰めようと、法を犯していないのであれば良い気がします。程度問題ではありますが。

社会福祉の世界には、大まかに3つの方法論があるように思います。
①薬や訓練、躾などによって本人の凹凸を平にしようとする試み。
②発達障害や特徴をその子の一部として、それを前提にうまく折り合いをつける方法を探す試み。
③すべてはスペクトラムなので障害ではない。そもそも気にしないという試み。

地域や施設種別などによって異なるかと思いますが、大体はこのようなところでしょうか。他の自立援助ホーム、
施設、学生の方、みなさんはどのタイプでしょうか。はたまた第4の方向性があるのでしょうか。とても気になります。

何が一番いいのか、適切なのかはわかりません。しかし、一つだけ言えることは、施設、ホーム、学校、その他○○も
大人や社会に従順な奴隷の育成機関ではないということです。
内発的に自分で考えて、自分で行動して、起きたことは良いことも、悪いことも自分で責任を引き受けられるようになって
ほしい。人生最後のとき、良い人生だったと思えるような自立した人生を送ってほしいと思います。
中にはこの意見に反対の方もいらっしゃるかと思います。その意見も尊重します。
私の今の段階での実感を書かせていただきました。