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自立支援についての考察2

コラム

自立援助ホーム

2024/05/14 22:56
自立支援についての考察2
スタッフも利用者もホームも月日が流れ変化していきます。

良きものが悪しきものに、悪しきものが良きものに。些末なものが重要なことに、
重要だったものが些末なものに…。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらわす、
おごれる人も久しからず 平家物語

中学生の頃は、何を言っているのかまったく理解できませんでした。
人生の主人公感に溢れ、未来は限り無く、無限に開かれている感覚で、
過去を振り返っている暇もなかった気がします。
目にするもの全てが新しいもので忙しかったので、小さい変化は目に入らないというのでしょうか。
今、読み返すとどこまでも深みのある一文に感じます。

とは言うものの普段の生活の中では気付きにくい。
毎日見えないくらい小さな変化の積み重ねが、
最後には大きな変化に-それはまるで積分感覚?-。
常に一緒に空間を共にしていると、毎日の変化が見えない…。
小さい声で呟く…「だって、昨日と今日では変化量が小さすぎて同じに見えるのです」

昨日と今日でまったく違う人のようになることもあります。
そうでない場合でも気が付くことがあります。たとえば、退所が迫った時期などに。

見えないものが見えるようになりたい、聞こえない音が聞こえるようになりたい。
ふと、思います。

世界はいろは歌であり、平家物語なのかもしれません。
全ては変化してしまうからこそ悲しく、
全ては変化するからこそ素晴らしい!