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実習について

【一人で抱え込まないで…】
Oさんの体験インタビュー!(東京都 児童養護施設)

O.Kさん

◆実習シフトについて教えてください。

7:30〜15:30(もしくは16:30)か13:00(もしくは14:00)〜22:00がメイン、座学中心の日は8:50〜17:50の勤務でした。 宿直は実習中2回ありました。

◆実習前にどんな準備をしましたか。

元々、高校生の時から児童養護施設に関心があり、大学1年生の時から児童養護施設に興味を持って調べたり、ボランティアに自分から参加したりしていました。
もちろん基本的には、大学の実習に備える授業での調査や発表を通して、知識を深めや心構えをしていきました。 2年生の夏に実習先の希望を出し、児童養護施設には3人実習に行きました。
実習先は第二希望の施設でした。

◆実習を経験して、他に準備しておけばよかったということはありましたか。

体力が重要という心構えでしょうか。実習自体、約1カ月弱の長期間ですし、日々の実習があって、そのあとに実習日誌をしっかり書く必要もあって、 それが深夜にも及ぶので体力的に結構きつくて。さらに早出・遅出という、施設ならではの勤務体系に慣れる間もなく実習が終わったという感じです。
体力勝負になるという心づもりを事前に持っておけばよかったかなと思いました。

◆実習中、どんなことを心がけましたか。

「子どもの前でメモを取らない」「積極的に子どもに話しかける」「積極的に職員に質問する」「つらい気持ちをため込まない」です。

◆「つらい気持ちをため込まない」とは具体的にどういうことですか。

小規模の施設だったので、一つのお部屋に入る形で実習をしたのですが、あるお子さんの気持ちに入り込みすぎてつらくなってしまいました。 この子が成長してどうなっていくんだろう、将来は……と、日誌を書きながら考え込んでしまって。 それだけでなく、実習の体力的な疲れも重なってだとは思うのですが、職員の方との振り返りの時間で、泣いてしまったこともありました。
そこでフィードバックいただいたのは、相談をして一人で抱え込まないこと、 職員が健康的にも体力的にも健康でいることが良い支援につながるということでした。 とても納得感がありました。

◆実習を通じて、学んだことは他にどんなことがありましたか。

子どもと1対1の関係ではあるけれど、職員全体で見ているということでしょうか。 何度も職員の方に言われたことでもあります。独りよがりの支援になってはいけないということ、 些細なことでも共有して子どもたちの支援に伝えていくこと、職員間の連携が大切ということです。
現在、児童養護施設で勤務を始めて、実習生を迎える立場になっていますが、大勢の子どもと職員がいるので、実習の振り返りをその場にいない職員が担当することがあるんですね。 実習日誌のコメントも同様です。 実習受け入れの体制は施設によって違うと思うのですが、私が実習生だった時、近くで同勤している方に質問できた環境はありがたいものだったなと感じます。

◆実習日誌について感じたことはありますか。

実習全体の振り返りにもつながると思うのですが、実習計画書を学校の指示で作り、大きな目標を3つ4つ立てました。 その大きな目標はあるものの、実習に入れば今日の反省から明日の目標が出てきます。 元々の大きな目標に対しての日々の目標をつなげて記録していく、まとめていくのが大変でした。
実習日誌は、時間に対して「子どもの動き」「職員の動き」「実習生の動き」「気づき」という構成でした。 子どもたちの目の前でメモは取れなかったので、なかなか覚えられず、隠れてトイレでメモをとったりしていました。 メモ帳は実習中5冊になりました。実習の軌跡だなと大切に取っています。

◆実習中、心に残ったエピソードはありますか。

地域のグループホームに入ったり、里親専門医の方に話を聞いたりと、様々な経験をさせていただきましたが、特に楽しかったのは調理実習です。 調理師の方が普段は1人で作られているところに入らせていただきました。
調理室は、子どもたちから近い場所にあって、気軽に調理師さんに声をかけていて、自分が担当していた子どもとも良い関係を気づけていました。 普段の生活で直接的な関りがなくても、施設の職員全員で子どもたち一人ひとりを支援しているということを実感できる場所でした。

◆実習に行く前と後で心境の変化はありましたか。

行く前は、実習先が第二希望だったいうことで少しテンションが下がっていました。 ただ、実際に行ってみると「ここでよかったなぁ」と。小さな施設だったこともあり職員の方とよくコミュニケーションが取れたこと、 子どもたちも男女一緒で幼児さんから高校生までいる施設で様々な学齢の子と、自分なりに関われたことがよかったです。
今、改めて実習日誌を読み返してみると、現在の日々の仕事にも役立つアドバイスがあるなぁと、それを忘れないようにしたいです。

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