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実習について

【実習中はメモ禁止!?上手く書くコツは?】
Sさんの実習インタビュー(大阪府 児童養護施設)

S.Mさん

◆実習シフトや日々のタイムスケジュールについて教えてください。

宿泊の実習だったこともあり、6:30~9:30。そのあと休憩、子どもたちが帰ってきて宿題を一緒にやって22:00までの勤務が基本でした。 土日は子どもたちも起きるのが遅いので、8:00から勤務していました。
朝は子どもたちが寝ている間に出勤。子どもたちを起こして、配膳、食事、登校の見送りの後、掃除をしていました。 夕方は、入浴、洗濯、食事、片づけや家事をして、子どもたちとテレビを見たり読書をしたりして、小さい子たちの寝かしつけをした後に、 まだ起きている中高生の子どもたちと過ごしていました。
忙しくはありましたが、子どもたちが家事を手伝ってくれたので、関わる時間も取れていました。

◆実習前にどんな準備をしましたか。

社会福祉士としての実習だったのですが、施設により状況が異なり、子どもたちの様子も様々だと思ったので、 事前に他の施設に短期間実習に行かせていただいたり、ボランティアで関わらせていただいたりしました。
また、子どもたちのトラウマや愛着について、書籍を読んで知識をつけました。
あとはその施設の特色や地域とのつながりなど、その施設自体の理解を深めるために情報収集を行いました。 学校からこれを調べておいた方が良いと言われていたものを閲覧したり、市のホームページ等を閲覧したり、事前オリエンテーションで情報を得ました。
児童養護施設でのアルバイトもしていましたが、アルバイト先はユニット型で、実習先は中舎制だったので、その違いへの不安はありました。

◆実習中に心がけたことはどんなことですか。

最初は子どもたちとの距離感を図るために、ガツガツと踏み込んだ内容の話はせず、呼んでいい名前を聞いたり、好きなものの話をしたりしていました。 そうしたのは、授業を通して先生からのアドバイスもありましたが、施設の子どもたちは繊細というイメージがあったからです。 児童養護施設のアルバイトを通しても感じていたことで、実習を通して確認してこようという思いもありました。
また、子どもたちには、小さなことも、たくさん褒めることも心がけました。 その時期、子育て支援に興味があって、親御さんへのコモンセンス・ペアレンティングについて学んでいたので、実践してみたかったのです。

◆実習を経験した後、準備しておけばよかったということはありましたか。

小学生や中学生の子どもたちの間で流行っているものを、もう少し知っておくと、話のきっかけにできたり、 話題を膨らませたり、コミュニケーションとりやすかったかもしれません。

◆実習中に苦労した事、困った事はありましたか。

幅広い学年の子どもたちが生活をする中舎制のホームだったので、子どもたちの間でかなり支配関係が見られました。 大人がいないところで年上の子どもが年下の子どもに手を出したり、責めたりする場面があり、最初のうちは、どこまで踏み込めば良いか迷いました。 子どもたち同士で解決することができるのかできないのか、その場を見ただけで判断するのが難しかったです。
最初のうちは介入しても状況が悪化してしまうこともありました。 巡回訪問の先生からは「いじめている子どもが昔されてきた事を表出しているかもしれないし、 大人に構ってほしいというアピールかもしれない」と、解決をする前に、その背景を考えてみようとアドバイスをもらいました。
職員さんには振り返りの時間にあったことの報告はしていましたが、そのものの解決には至らず、ただ、とらえ方について学ぶことができました。

◆実習を通じて、よかったことはどんなことですか。

子どもたちとの関わりの面でいうと、職員さんも多忙な中、大人との関係が不足している子どもたち、特に中高生に課題があると聞く中で、 勉強を通じて関係性が作れたことです。
実習の時期がテスト期間に重なったこともあって、一度勉強を教えたら、 そのあとも、「勉強教えて」と頼ってくれて、夜に1時間一緒に勉強をするようになりました。その子との関りがとても印象に残っています。
その子は気が強くて、下の子にも支配的な態度を取るタイプだったのですが、その期間は落ち着いていると職員さんもおっしゃっていて。 個別の関りが情緒の面にも影響するんだということを実感できました。
強く見えるタイプでも、実は寂しがりや。勉強を一緒にする関係になる前から、よく話しかけていた事が積み重なって、頼ってもらえたのかなと思います。

◆実習日誌について感じたことはありますか。

とにかく実習日誌は難しかったです。泊まりこみの実習だったのですが、夜遅くまで実習して、次の日の朝も早い中、 少しでも早く実習日誌を終えたい気持ちもあったのですが、かなり書くのに時間がかかっていました。
施設での生活は、1日1日の出来事は変わるとしてもルーティンは変わらないので、 たくさんのことがあったはずなのに、何を書けばよいのか……、ということもよくありました。実習中はメモができないので、思い出せないこともありますし。
書くときは、その時起こった出来事と自分で考えたことを記録していきました。 枠が足りなくなるほどの文章量になることもあって、書きすぎたかなと反省したこともありましたが、後から見てしっかり思い出せるよう心がけました。 より具体的に書くことで、読み手にしっかり伝えられるよう工夫しました。
書く前にスマートフォンのメモに書き出して、下書きをして整理しました。その整理をしたことはよかったかなと思いました。
大学からは、鉛筆で下書きをした後に清書するよう指導もありましたが、なかなかできませんでした。

◆実習に行く前と後で、心境や考え方の変化はありましたか。

イメージしていたものと現実のギャップはあまりなかったですが、アフターケアについて知り、考えるきっかけになりました。 思っていたよりも、退所後の関りはあり、連絡を取ったり、実際に顔を出したりしている様子を見ることもできました。
そうやって戻ってこられる場所である一方で、そうでない子、それを頼れない退所者もいるだろう、そこに課題感を感じました。

※アフターケア:施設退所後の支援のこと

◆卒業後の進路について教えてください。

まだ迷っているところです。実習を通して現場を見る中で、アフターケアや、 施設に入所しないで済むように虐待防止に関わりたいという思いはありますが、卒業後すぐは難しいのかもしれません。経験が大切だと思うので。
今も、子どもに関わるNPOに所属して活動しているのですが、どこかに所属して働くということへの不安もありますし、 働くことへのイメージがあまり持てていないので、もう少し考えたいと思います。

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