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自立援助ホーム いっぽ 青木 佑磨さん

愛知県にある自立援助ホームいっぽのホーム長の青木佑磨です。今は7年半が勤続年数になります。
自立援助ホームで働きたいと思った理由は、もともと実は前の法人で児童養護施設に学習支援として現場に入らせていただくことがあって、その時に小学校のこどもたちの宿題見たりとか、中学校のこどもたちの勉強を教えるとか、そういう機会を持つのが、実は私にとっての社会的養護の初めての現場で。そこでそのこどもたちと出会ったことが、もともと児童養護施設に行きたい、もしくは自立援助に行きたいって思った理由の一つで。その当時すごく自分の中で悩んでいて、もともと就労支援とかの仕事をしていたので、何か人の進路とか将来の夢とか、そういった悩みに寄り添いながら、どうしたらいいのかっていうののサポートをするのが自分は好きだなと思った時に、小学生たちもかわいくてすごくよかったんですけど、どっちかというと高校生たち、もしくは大学生たちが生活する場所として自立援助ホームっていうところがあったので、自分は自立援助ホームの方が向いているんじゃないか、合ってるんじゃないかなというところで、結果、今の自立援助ホームいっぽを選んで勤めているところになります。
私が今までいっぽで勤めてきて大変だったなと思ったのは、それこそ私がいっぽで勤め始めた25ぐらいの時にいっぽに初めて入ってきた子を担当させていただくことがあって、その子は社会的養護としての歴が長い子だったので、大人不信なところがあったりとか、親御さんのことを知らなかったのでたくさん悩みを抱えていて。その子としては、私も彼からしたら数年でいなくなる人なんじゃないかっていう心配があって。「辞めるんじゃないか」みたいな試すようなことを言われた時に、この子の傷はすごく深いなという理解をその当時の自分はしてあげられなくて。もちろんこの業界にいる人たち、みんなきっとその悩みはあると思うんですけど、それを自分はどうやったら越えられるんだろうというところと、どうやったらこの子の悩みに近づいてあげられるんだろうというところがわからなくて悩んでたのが一番つらい時の経験で。だけれども、その子と3年ぐらいいっぽにいて、毎日毎日いろんな話をして、時にはその子と一緒に親御さん探しに行こうかっていうことになったりとか、いろんな体験を経て、その子からも信頼が得られて、その子と一緒に悩みを経験して越えることができたことが、結果的には今もその子とはつながってることを思うと、やっぱり時間の年数が人との関係性をつくるんだなって思ったところではあったので。その当時はそれがわからなくて、その答えとか答えが見えるためのヒントすらもわからなくて苦労したなっていうのは思ってます、すごく。
(やりがいは)たくさんあって。やっぱりこのいっぽから社会に出て、一人暮らし始めて、社会人になって、中には家庭を持った子もいて、こどもができた子もいて、そんな子たちが僕に「こどものことを見せたかったんだよね」って言って報告してくれることとか、中にはそのこどもを抱っこさせてもらうこともあって、その時に、僕は「その子たちも15、6で来てて、どうやって自立していくんだろう」みたいな正直不安は感じていて、そんな子たちがこう社会に出て、そういうふうに変わっていく姿を見せてくれたこと、自分は家庭を持ってこういうふうにしていきたいなっていう目標というか自分の思いを語ってくれることにすごく成長を感じて、その成長がすごく嬉しくて。本当にこれは家庭を持った子に限らず、自分こういう仕事をしていきたいとか、こういう風になりたいんだっていう子が出た時に、15歳から自立援助に入ってきて、18歳とかそういった年齢で出るんですけど、その短い期間でしか関われなかったし、短い期間の中で教えられないこといっぱいあったけど、出てから自分で一生懸命学んで成長していく子たちを見たら、わからないなりに一生懸命毎日毎日やってきてよかったなと思って。何かそういったところがちょっと報われたような気がしたので、本当に出た子たちの話一つ一つが、僕はやりがいだし、嬉しいこと。他には中にいる子達と誕生日会祝えたことも嬉しいし、あんまり海に行ったことなくてっていう子たちと、いっぽでは行事として海水浴行ったりとか、福井県の海まで行ったりとか、いっぱい色んなことして、そういう楽しいことも彼らと共有できて、それが思い出になるので、彼らにとっても僕にとっても大事な思い出の一つになれて、そういういろんな時間帯を過ごすことこそも、すごく僕は嬉しいなぁっていうふうに感じてます。
どういう人が向いているのか、自立援助ホームで働くことにっていうところでいくと、やっぱりこどもたちの言ったことを、こうしたらいいって決めつけなかったりとか。みんな色々あると思うんです。教育観とか価値観とか、自分のやってきたやり方とか。そういったところをこどもたちに押し付けるわけでもなく、ありのまま一回受け止めて聞けるっていうところで。こどもたちが話すことが時には間違ってたりとか、それはっていろいろ思っちゃうこともあると思うんですけど、それを含めてまずは一旦受け止めてみて、それがいいか悪いかを大人がジャッジするのはすごく簡単なんですけど、それをその子たちが気づけることの方がもっと大事な気がするので、それをどうやって気づくために関われるのかっていうところを本当に悩みながらできる人っていうのが僕は向いているんじゃないかなと思って。僕ら大人も完璧ではないし、間違うことだってあるし、自立援助ホームいっぽで働く中での職員としての立ち居振る舞いも失敗することもあるけど、そういった失敗を認めて、自分もみんなと一緒に話をしながら、職員も共に育つ、こどもも育つみたいな。そんな関係性を作れる、柔らかく、そして温かみもある、そういった方がすごく向いているし、いいんじゃないかなっていう気はしてます。
どの職員さんもまずはこどもたちのために頑張りたいっていう思いをすごく持っているっていうところ。この令和5年の7月の終わり頃にBEGINっていう新しい施設が立ち上がって、そこでも本当に一緒で、思いとして感じていることは。こどもたちのために考えたいっていうその想いこそが、やっぱりこどもにも何かこうじわじわと伝わるものがあるし、こどもたちがそういったものを感じてる時に、自分もどういうふうにやったらいいのかなっていうこどもたちの心が育つものを感じて、それってやっぱり人間同士なので、そういう風に職員がこどもたち、入居者のことを大事にしたいっていう想いが伝わるっていうところが、やっぱりいいお互いの相乗効果を生むなと思って、それはすごくいっぽでも新しくできたBEGINでもあるので、そういったすごく尊敬する職員さんたちが多いことが、いっぽ・BEGINの素敵なところかなと思ってます。

※撮影当時の情報です。

施設概要

自立援助ホーム いっぽ
「自立援助ホーム いっぽ」は愛知県春日井市にある施設です。

[周辺環境について]
都会すぎず、でもお店が多い市街地の中にあります。
雑誌にも掲載されるようなお店が多いラーメン激戦区で、ラーメン好きにオススメです!
また春日井駅からバスで10分とアクセス◯、かつ周辺は平坦な道が多いので自転車通勤もしやすいです。

[職場の環境や取り組み]
20代~70代までとスタッフの年齢層が広く家庭的な雰囲気があります。
スタッフが、まるで家族のように子どもと話すことがあり、時には兄、時には母、時には祖母の立場でアドバイスをしたり人生相談をするような人間味がすごく出ている所が、いっぽの魅力です。

また、週1回のスタッフ会議や全体LINE等で、子どもたちの動きを細やかに把握しています。悩み事、トラブル、問題行為があれば、すぐに子どもと面談をして、今後どのようにしたら良いのかを一緒に考えます。

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