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希望館 平石沙希さん

群馬県高崎市にある児童養護施設 希望館で働いています。平石沙希です。3年目です。
男の子ユニットで、下から年長さんが一人、2年生が一人、3年生が一人、6年生が一人、高校1年生が一人の計5名です。
私が児童養護施設で働くことを目指したのは中学生の頃からで、その頃からニュースで児童虐待で死んじゃう子のニュースとかをすごくテレビで見るようになりまして、こうしている間、私がテレビをぼんやり見ている間に、もしかしたらそのどこかでつらい思いをしている子がいるんじゃないかとか、今こうしてる間にもう死んじゃう直前の子がいるんじゃないかとかを考えたら、自分がぼーっとしてる間に何かできることがあるんじゃないかなと思ったのがきっかけでした。
大学時代にこちらで実習をさせていただいたことがきっかけです。群馬県はそんなに児童養護施設の数も多いわけではないので、自宅から通える範囲であったり、知り合いから聞いた話とかがメインで、いろいろ情報収集していたんですけれども、実習で入ったのが一番大きくて。実習中、こちらでいろんな経験をさせていただいた時もすごくやりやすかったですし、実習生だからといって何も教えてくれないというか、とりあえず2週間を乗り切ろうっていう職員の皆さんの姿勢もなくて、きちんとすごくダメなことはダメと言ってくれるし、教えてくださることは教えてくださる、すごい有意義な2週間を過ごせたので、そこでその希望館の皆さんのやる気というか、すごく感じたので、こんな職員の方がいる環境で、私も身を置いて働きたいなと思ったからです。
私が昨年担当していた当時小学3年生の男の子が精神薬を服用している子で、すごく気分の浮き沈みが激しい子だったんですけれども、調子がいい時は、「平石先生、僕今日こんな時間に起きれて朝早いから一緒に宿題やろうよ」って言って来たと思えば、その数十秒後には、「じゃあ今君が宿題一緒にやろうって言ったから宿題する準備ができたよ、一緒にやろう」って声を掛けたら、「なんでお前と一緒に宿題やらなきゃいけないんだよ、そうやって無理やり宿題をやらせようとするんだろう、嫌だって言ってるのに無理やりやらせるんだろう」ってなって、そこからバーンと爆発し、物を投げる、職員に手を出すっていう時期がありまして。その時はやっぱりその子がこうなってしまった原因とか、そうならないための支援をこちらがしなければいけないっていうのはわかりつつも、やっぱりそれを食らうとこちらも人間なので、精神的に「うわぁ」ってなる時もあれば、逆にこっちもイライラしてきてしまって、「宿題一緒にやろうって言ったのはそっちだろう、なんで急に私がそんなこと言われなきゃいけないんだ」っていう、私の方も怒りに変わってしまうこともあって、その時は結構自分自身でも、「今イライラしてるの顔とか態度に出でてるな」って思ってしまう時とかもありました。
ふとした時に「すごいじゃん、なんでそんなこと出来るようになったの」とか言うと、「え、だってこないだ平石先生言ってたじゃん」とか、そんなちっちゃい事を覚えているんだっていうことが随所に散りばめられている仕事というか。具体的に言うと、洗いものをしてくれたこどもがいて、最初のうちはそのシンクの水を切る容器のところに、ババババーンって乱雑にお皿を置いてたんですけど、それは同じ大きさのお皿から並べていくと、いろんなお皿が並べられるし割れないんだよ、水が切れやすいんだよみたいな話をしたら、次に私と洗い物をした時はすごいキレイに並べていて、私も前回そういう話をしたことを忘れていたので、「すごい綺麗に並べられるね。こうすると水切りやすくなるからいいんだよ」みたいな話をしたら、「知ってるよ、だってこないだ平石先生が言ってたじゃん」みたいなところとかがあって、そういうのはすごい小さな積み重ねだけど、目には見えないけど、ちゃんとこどものどこかには引っ掛かって伝わってるんだなっていうのが日々感じられます。
うちは職員としてはとてもありがたくて、家賃補助が出ます。家賃補助が出るし、施設もまだ築5、6年とかなので、すごくきれい。職員の皆さん、先輩方も皆さんすごく温かくてフレンドリーで、いい意味でそんなに上司っていう感じがしないというか、すごく親身になって悩みも聞いてくださるし、かといって指摘をしてくれないわけでもないので、すごく働きやすい環境だなと思います。ぜひ見学に来てください。

※撮影当時の情報です。

施設概要

希望館
◎当施設の特徴・取り組み
□職員・ユニットが子どもたちの「安全基地」になることを目標としています。
□それぞれのユニットが子どもたちにとっての将来の「実家」になれるよう、ユニットごとにコンセプト・キャッチコピーを考えて、そこに沿って子どもたちへの生活支援やユニット活動を行っています。
□平成30年4月から小舎制になりました。
1ユニット4LDKで、1階に2ユニット・2階に3ユニットあります。他に、事務所・会議室・心理療法準備室・プレイルーム(暗室付き)・親子訓練室・宿直室があります。
同じ建物に児童家庭支援センター(相談室とプレイルーム)があります。
□食事は各ユニットで食材を調達してユニットごとに調理しています。
はじめは不慣れな職員も、半年もすると料理の腕を上げて子どもたちの「おいしい!」と引き出しています。
時にはおやつを手作りしたり、テイクアウトやデリバリーを利用したり、子どもたちと一緒にホットプレートを囲んだり、カップラーメンやお茶漬けを楽しむこともあります。
ぜひあなたの得意料理を子どもたちの「おふくろの味」にしてください。
□食費をはじめ子どもたちの生活に必要なものはすべてユニット費で賄います。ユニットごとにユニット費が渡されて、ユニット職員はやりくりをしながら、様々なユニット活動や個別活動を企画しています。

□ユニット活動
年間計画を立てて実施しています。誕生会・外食・ハイキング・海水浴・博物館美術館鑑賞・映画鑑賞・公園遊び・キャンプ・遊園地・サファリパーク・温泉旅行などなど、たくさんの活動をしています。

□生(性)教育
性的問題行動を未然に防ぐために生(性)教育を定期的に行っています。子ども一人ひとりに対してユニット職員が年間計画を立てて、子どもの理解度に合わせてポイントを伝えています。

□人材育成について
希望館では「子どもから学ぶ」を大切にしています。「子どもから学ぶ」ことの理解を深めるために様々な研修を用意しています。入職当初の新任研修(座学&OJT)、年間を通しての新任研修・2年目研修・中堅研修、ペアレントトレーニング、職員向け生教育研修、フォローアップ研修などがあります。その他にも外部研修に積極的に参加してもらっています。また、ユニット会議・ケース会議・ユニットリーダー会議などで子どもの支援やユニット運営について話し合いを進めながらお互いを励まし合っています。
年に1回、一般職員は行動考課を行います。法人の行動基準に沿った考課項目に対して自己評価をして上司の評価と照らし合わせて、課題の達成度を確認し、上司と共に新たな課題設定をします。この課題をもとにして上司や同僚と一緒に切磋琢磨していきます。

□断続勤務は週に1回程度です。主に早出・遅出勤務なので、日中の子どもたちが不在の時間帯に行き届いていない家事や食事の準備・研修・会議・ミーティング・買い物・事務作業を行っています。宿直は月に2~4回です。月の超過勤務は10時間以内で、サービス残業にならないよう職員全員が努力しています。

□施設での住み込み勤務はありません。
遠方から当施設に入職される方には、近隣の賃貸で生活されることをお勧めします。住居手当が支給されます。

□職員のメンタルヘルスケアの一環として、施設心理士と相談員による職員の面談を行っています。
心理士・相談員・児童指導員・課長・施設長がいる事務所がユニット職員の安全基地になれるよう尽力しています。

□2年目から法人職員旅行があります。5パターンの旅程に希望を出して、同僚や部署が違う職員との交流を深めています。時には一泊二日の旅行もあります。

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