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施設訪問レポ
2024/03/15 13:59

【訪問レポ】児童自立支援施設 神戸市立若葉学園に行ってきました!

こんにちは、NPO法人チャイボラのマツシマです。

みなさんは、『児童自立支援施設』という施設について、そして『小舎夫婦制(1つのユニットや寮を夫婦で担当する支援方法)』をご存じですか?また、どんなイメージを持っていますか?

今回は、小舎夫婦制で子どもたちと共に生活をする児童自立支援施設『神戸市立若葉学園』さんに一泊しながら、少しの時間ですが見て・聞いた体験をありのまま書いていこうと思います!



【児童自立支援施設とは?】
法律上のお話は少し難しく書かれているので要約すると・・・

児童福祉法で定められた施設で、都道府県(政令指定都市を含む)に設置義務がありますが、全国でわずか58か所しかありません。

若葉学園さんが神戸市立なのもそういった理由から神戸市の管轄として運営されているようですね!
※全てが公立なわけではなく民間の児童自立支援施設もあります。

非行や生活上の問題を抱えた児童の自立を支援する施設(そのまんまですが…笑)
小学生高学年くらいから高校生程度の子どもたちが、家庭や児童養護施設などから入所するケースが多いと聞きました。


【ここでの生活はどうなのか?】
一番、気になるのは職員や子どもたちがどんな暮らしをしているのか?ではないでしょうか。

児童自立支援施設は、敷地内に学校が併設されており、学校と寮に建物が分かれています。若葉学園さんの場合もそうでした。

[学校のある本館の教室の様子]
電子黒板が導入されてます。


■学校での過ごし方
 子どもたちは寮から学校に登校し、学年別で少人数のクラスで勉強をします。14時頃まで授業を受け、その後は一度体育館へ集合しクラブ活動を行います。



[生活をする寮の外観]


■寮での生活
 今回は、若葉学園さんの須磨寮でお世話になったのですが、そこでは平日は6:25に起床、ランニングや掃除を日課として行った後、朝食を食べて学校へ登校。
 休日は意外にも8:30に起床とゆっくり!掃除をして朝食を食べたあとは、寮活動として余暇の時間を楽しんだり、寮によっては園内の環境整備?をしている姿もありました!
 夜の過ごし方は就寝時間まで、入浴・夕食や団らんをしていて、普通に「家」のような雰囲気を感じました。

■寮の内観
 百聞は一見にしかず!ぜひ写真でご覧ください。

[玄関から続く廊下]
右手は事務所、奥はリビング・ダイニング(食事や団らんの場)


[事務所]
寮によってルールは違いますが、須磨寮では子どもたちが出入りするのもOKでした!


そして、写真には撮っていませんが、事務所の奥に職員であるご夫婦の家があります。
事務所と家の境目はのれん1つで隔たれているだけでした!!びっくりです…!!


[リビング・ダイニング]
この空間は寮によって全然雰囲気が違います!


[他の寮の例]



[食器洗いをしている様子・キッチン]

お子さんに許可を得て、お皿洗いの様子をパシャリ!
お皿洗いをしながら、『若葉学園の良いところですか? ん〜〜、特にないですね〜笑』とニコニコしながら答えてくれました。(その安心した雰囲気に良さが滲みでてましたよ!)


【施設っぽさ(集団)と家庭っぽさ(個)の共存】
 寮では10人程度の子どもたちが生活をしています。もちろんある程度の集団なので、起床時間や就寝・消灯時間が決まっていたり、みんなで寮内の掃除や環境整備の係が決まっている部分はあります。これは集団生活で、規則正しい生活習慣を身につけるために必要な最低限の決まり事ですね。なんとなく施設っぽい部分かなと感じました。

 その一方で、寮長さんと寮母さんと子どもたちの関係性は児童養護施設やその他の施設にはない”家庭っぽさ”をすごく感じました!
ご夫婦でそこに住みながら、子どもたちと『共に暮らす』を実践されている若葉学園さんですが、僕のような一般的な人の感覚からすると『24時間ずっと子どもたちと暮らす』というワードがドンっと、のしかかります…!! 
 しかし、夫婦で働かれている職員さん達からすると、もはや働くという感覚でもない?ようで、夫婦で”こんな支援がしたい!”という思いがあるからこそ、寮で暮らしながら、それぞれの寮(家)のカラーを出せるこの小舎夫婦制はやりやすいんだそうです。

 これまで通勤スタイルで児童養護施設で経験してきたマツシマの価値観は大きく変わりました!


【小舎夫婦制って本当に良いのか?辛くないのか?】
 今回、若葉学園さんに行ってみて、一番聞きたかったのが夫婦で24時間、365日(もちろんお休みはありますが)寮の子どもたちと生活する上で辛いことや困ったことは起きないのか?という点でした。

■ Q,お休みはどうしているのか?
 A,学園の中には、須磨寮のように日頃から子どもたちが生活する寮の他に交代寮といって寮の職員さんがお休みをもらう際に数日間、子どもたちがそこに移動して生活する寮があります。交代寮はいわば、『親戚の家』『祖父祖母の家』に遊びに行くような感覚で、子どもたちにとっても慣れた場所。交代寮にもそれぞれ夫婦の職員さんがいたり、中には3名程度の職員で交代制を取りながら生活をしている寮もあるようです。
  この交代寮のおかげで、ご夫婦の休みは確保されています。

■ Q,仕事とプライベートは分けられるのか?
 A,これも一番気になる点!多くの職員さんはどこからが働いていて、どこからがプライベートかは分からないと語っていました。それはやりがいを持っている職員さん達にとってはやりやすい環境と言えて、もしかしたら合わない人もいるかもしれません。でも、若葉学園に行って、ご夫婦の姿を身近に感じれば、その負担感に勝るものがあることを感じてもらえると思います!!
  また、寮に職員さん自身のきょうだいや両親、友人なども遊びにくることもあるそうで、そういった意味では寮そのものが夫婦の家である感覚のようです。もはや住み込みという概念で良いのか?と思うほど、里親やファミリーホームのような感覚に近いのかな?と感じました!


■ Q,ご夫婦の実子が居た場合、困らないのか?
 A,これが一番衝撃的でしたが、結論、”困らない”というのがお話を伺ったほとんどの職員さんの回答でした。
  むしろ、実子が居ることで助かる場面も多いらしく、寮の子たちと寮長や寮母が喧嘩して険悪な雰囲気になっても、実子が『おねえちゃんどうしたの?』と知らぬ顔で話しかけることで、その雰囲気を良い意味で壊してくれたりするそうです。
  また、逆に業務などで実子に手をかけられていないと感じる時でも、寮の子たちがまるできょうだいのように面倒を見てくれるので助かるんです!と話されていました。だって、家ですもんね!夫婦制の寮においては、これが自然なやり取りのようです。


■ Q,夫婦で役割はあるのか?
 A,時代錯誤かもしれませんが、児童自立支援施設ではむしろ男女による役割をハッキリと分けて父性的な関わりと母性的な関わりを大切にしているように感じました。寮長さんがキリッと締める時は寮母さんがフォローに回るなど夫婦だからあうんの呼吸で役割分担しているそうです。もちろん夫婦だけじゃなくお隣の寮同士や交代寮の職員さんとも連携しながら、ご近所付き合いをしながら子育てをする昭和の一般家庭のような雰囲気がココにはありました!



【子どもたちはどんな様子?】
 非行や社会不適合の傾向があるお子さんが多いので、すごく暗くてトゲトゲした印象を持つかもしれません。
 ですが、お察しの通り寮にいる子どもたちに触れてみると『ごくごく普通の子たち』でした。僕が一緒にご飯を食べた須磨寮の子たちは小学生高学年から中学生の男子が多めでしたが、わいわいと男子らしい騒がしさで質問攻めにあったかと思うとご飯を食べ終わった瞬間にサーっと捌けていいきました。あの感じは日頃からお客さんに慣れているからこそ見られた光景ですね。
 


【まとめ】
 ・児童自立支援施設は社会に自立していく子どもたちのための施設(児童養護施設から来た子にとっては、また児童養護施設へ戻るための施設でもある)
 ・小舎夫婦制は、実はそんなにハードルが高くない!そして、実子が居ても働けて、実は労働環境がめちゃくちゃ良い!施設の職員というよりは、里親やファミリーホームのスタッフになる感覚に近いのかなと思いました。

長文になってしまいましたが、小舎夫婦制の形をとっている児童自立支援施設のことを知って欲しかったので、感じたことを書かせていただきました!

もし、直接見学してみたいという方は、神戸市立若葉学園さんにお問合せしてみてください!

<神戸市立若葉学園のページ>
https://chabonavi.jp/place/696


[グラウンド]


[畑]
この時はネギと苺が実ってました!!

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