障害児入所施設
障害児入所施設の概要やその役割、入所に至る経緯などを解説していきます。◯目次
・障害児入所施設の概要・障害児入所施設の入所理由・経緯
・障害児入所施設の機能・役割
障害児入所施設の概要
障害児入所施設は児童福祉法42条に規定されている児童福祉施設です。全国に513カ所(福祉型障害児入所施設:247カ所、医療型障害児入所施設:266カ所 令和4年4月)の施設があり、約8400人の児童が生活しています。
身体や知的、発達を含んだ精神に障害のある18歳未満の子どもを入所の対象にしており、入所している障害のある子どもに対して、保護、日常生活の指導及び知識技能の付与や医療の提供を行っています。
以前は障害児が入所する施設は「目が見えない、耳が聞こえない」「手足に不自由がある」「知的と身体など複数の障害がある」など、障害の種別ごとに分かれていましたが、複数の障害に対応し、障害児支援を強化する目的で平成24年の児童福祉法の改正で一元化され障害児入所施設に統合されています。
医療型障害児入所施設治療では「医療行為」が行われる点が福祉型障害児入所施設と大きく異なります。また、医療型障害児入所施設は児童福祉施設であると同時に医療法上の「病院」でもあります。
障害児入所施設の入所理由・経緯
障害児入所施設への入所理由として約37%の子どもたちが虐待を経験しており、入所する子どもたちの半数以上が他の社会的養護施設と同様に児童相談所の措置によって入所に至っています。また、他の障害児の福祉サービスと同様に施設を福祉サービスとして利用する「契約による入所」という入所の方法もあります。契約による利用の場合、世帯の所得に応じて入所する子どもの保護者に費用負担が発生します。
いずれの場合も入所の要件に各種障害者手帳は不要ですが、児童相談所や医師が入所の必要があると判断した場合に入所することが出来ます。
障害児入所施設の機能・役割
障害児入所施設の主な機能・役割についてご説明します。・日常生活の支援、介護
・医療、監護の提供
・家族、地域との連携
どれも障害児入所施設の機能・役割として大切なものです。
日常生活の支援、介護
入所している障害のある子どもたちが日常生活を送る上で必要な食事、入浴、排せつなどの世話や介護を行います。子どもたち一人ひとりの障害や特性に合わせて個別に手厚くケアします。また、子どもの意見や主体性を大切にすることで、能力の維持や向上を促し、発達や自立のサポートをしています。
医療・看護の提供
医療型障害児入所施設では医療的ケアが必要な子どもに対して必要な治療や処置、看護も行っています。施設の規模や機能によって差が有りますが、手術や集中的なリハビリテーション、合併症の予防なども含まれています。家族・地域との連携
入所している子どもの家族からの相談に応じることや、学校や児童相談所をはじめとする関係機関との連携も重要な業務です。その他にも家庭復帰後の生活環境の調整や障害福祉サービスの利用の組み立て等、退所後を見据えた支援を行います。障害児入所支援施設の仕事について詳しく見る
参考引用元
全国身体障害者施設協議会日本知的障害者福祉協会
日本重症心身障害福祉協会
全国重症心身障害児(者)を守る会
こども家庭庁 厚生労働省資料「障害児の新たな移行調整の枠組みに向けた都道府県・指定都市説明会」