障害児入所施設の仕事
障害児入所施設で行われる仕事や必要な職種、関係機関について解説していきます。◯目次
・障害児入所施設の仕事内容・障害児入所施設の一日の流れ
・障害児入所施設で必要な職種
・障害児入所施設の関係機関
障害児入所施設の仕事内容
障害児入所施設への入所は概ね小学生から18歳までの子どもたちが対象になります。障害児入所施設は「福祉型障害児入所施設」と、より医療的なケアが必要な「医療型障害児入所施設」の２つの種類があります。
日々の生活の中で子どもたちの基本的な信頼関係を育む為の愛着形成や発達段階に合わせた自立を目指した生活支援など日々の関わりの中で育んで行きます。
子どもたちとへの日々の関わりの他に、記録などの事務作業、関係機関との連絡調整や家族支援や里親支援などのソーシャルワーク業務など職員の業務は多岐に渡っています。
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障害児入所施設の一日の流れ
6：30（起床、早番職員の出勤）
夜勤明けと早番の職員が子どもたちを起こして着替えの声かけやお手伝いをします。検温を実施し体調に変化がないかを確認します。7：00（朝食、登校）
栄養バランスが考えられた食事が準備されます。子ども達の身支度を整え、学校に通う子どもたちを送り出します。
※子ども達が通う学校は施設に併設された学校や特別支援学校、一般校の特別支援学級など地域や施設によって異なります。
8：30（日勤職員の出勤）
子どもたちの登校後に日勤職員が出勤します。引継ぎを行い、子どもたちの変化やその日の予定を確認します。
お掃除や洗濯などの家事業務も子どもたちの動きを見ながら効率よく行います。
10：00（日中活動、事務作業）
「加齢児」や「学卒児」と言われる入所が必要な１８歳以上の方がで生活している場合、日中活動として作業的な活動や創作活動、運動などを行います。これらの日中活動を通じて退所後の就職や、成人の福祉サービスへの移行のために必要なスキルを身につけていきます。職員は会議や記録などの事務作業なども行っていきます。
13：00（遅番職員の出勤）
遅番職員が出勤し、引継ぎを行います。関係機関とケース会議に出席したり、おやつや食材の買い出しなどを行います。
15：00（下校、宿直職員の出勤）
学校に通っている子ども達が帰ってきます。宿題をしたり、おやつをたべて思い思いに余暇時間を過ごします。宿直の職員も出勤し始め、その日あった出来事や夜間帯に向けた引継ぎを行います。
18：00（夕食）
子どもたちの発達や好みに合わせてあたたかい食事が提供されます。夕食を食べた後には職員は就寝に向けて準備を行いつつ、余暇時間を過ごす子どもたちを見守ります。
19：00（入浴）
子どもたちの身体を清潔に保つために毎日お風呂に入ります。自分で髪や体を自分で洗えるようにする練習の場でもあります。
21：00（就寝）
それぞれの部屋で布団に入り、寝る準備をします。安心感を感じながら眠りつけるよう必要に応じて見守りや寝かしつけを行います。
22：00（消灯・巡回）
子どもたちが眠った後も急な変化や体調不良が起こっていないかを確認する定期的な巡回や、記録などの事務作業を行います。遅番職員は22時頃に帰宅し、夜勤職員は施設に泊まって明朝の業務に備えます。.jpg)
障害児入所施設で必要な職種
〇保育士・児童指導員
子どもたちと日々関わり、遊びや生活全般を支援する障害児入所施設での養育の中心を担います。入所している子どもたちの人数に応じて必ず配置されます。〇医師又は嘱託医、看護師などの医療スタッフ
病気や感染症の予防、病後児や虚弱児の健康管理を含め、入所する子どもたちの健康を維 持する役割を担っています。入所している子ども達の障害に応じて、小児科だけではなく精神科や内科、眼科や耳鼻科、外科やリハビリテーション科などの経験を持つ医師や嘱託医、看護師等の嘱託医スタッフが必ず配置されます。〇児童発達管理責任者
障がいを持つ子どものために、個別支援計画の作成と提供サービスの管理をおこなう専門職。障害児入所施設に必ず配置されます。〇職業指導員
障害児入所施設に入所する子ども達に対して働く能力や勤労への態度を育て、適性、能力等に応じた職業選択ができるよう、適切な相談、助言、情報の提供を行います。また、必要に応じて実習や講習などの支援を行います。障害児入所施設で職業指導を行う場合に配置することができます。
〇心理指導担当職員
虐待などで心に傷を負った子どもや、保護者自身に対して、カウンセリングなどの心理療法を実施し、心の傷を癒していく事を担います。心理療法が必要な子どもが認められる場合に配置することができます。
〇理学療法士
身体に障害のある子どもが入所している場合に基本動作能力の回復や維持、障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職。肢体不自由児や重症心身障害児が入所する医療型障害児入所施設に必ず配置されます。
〇作業療法士
「作業」とは、食事や入浴などの日常生活や趣味活動など人が関わるすべての諸活動のことを指します。病気やけが、心の病、認知症など、様々な要因でその人らしい「作業」が行えなくなったとき「作業」に焦点を当てて治療を行います。また「作業」を通じて諸活動に参加できるように援助する医学的リハビリテーションの専門職。肢体不自由児や重症心身障害児が入所する医療型障害児入所施設に必ず配置されます。
〇言語聴覚士
言語、聴覚、発声・発音、認知などの言葉によるコミュニケーションに障害や課題が有る場合に機能回復訓練や療育を行います。また、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応します。難聴児や盲ろうあ児が入所している場合に配置されます。
〇栄養士
栄養バランスの取れた献立を考え、食の面から子どもたちの成長のサポートを担っています。障害児入所施設に入所する人数に応じて配置されます。〇調理員
子どもたち一人ひとりに合うように食事を工夫する食の面から子どもたちの成長のサポートを担っています。職員が食事を作らない場合に配置することができます。〇施設長
施設の長であり、責任者。職員をまとめ、全体の運営の方針を定める役割を担う施設のリーダー的存在です。障害児入所施設に必ず配置されます。.jpg)
障害児入所施設の関係機関
〇児童相談所
障害児入所施設に措置される子どもたちの入所を決定する行政機関です。保護者との面会や家庭復帰に向けた連絡調整などで協働する機会が多いです。
〇病院
病気になったり怪我をしてしまった時には、職員が付き添います。〇警察
虐待が発生した際に子どもを保護する機関の一つが警察です。児童相談所と協働して保護を実施し、子どもたちの生命を守ります。〇市区町村の福祉窓口、保育窓口
児童手当や保険証の手続き、障害者手帳の申請などで障害児入所施設が立地している市区町村の役所や担当窓口で申請を行います。〇学校等の教育機関
一定年齢に達してからはより大きな集団での中で生活に慣れていく社会性を獲得していく 為に学校に通います。障害児入所施設に入所する子ども達の通学先として「施設に付属の特別支援学校」「地域の学校の特別支援学級」「地域の特別支援学校」の３つがあります。〇障害者入所施設やグループホーム
障害児入所施設に入所する子どもが20歳を超えた際に成人の障害福祉サービス利用に切り替わっていきます。新たな生活の場として障害者入所施設やグループホームに生活の場を移す必要が有る場合、利用契約を結び入所します。.jpg)
