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児童心理治療施設



児童心理治療施設


児童心理治療施設の概要やその役割、入所に至る経緯などを解説していきます。

◯目次

・児童心理治療施設の概要
・児童心理治療施設の入所理由・経緯
・児童心理治療施設の機能・役割

児童心理治療施設の概要

児童心理治療施設は、児童福祉法43条の2に規定された児童福祉施設です。
全国に53の施設があり、小・中学生を中心に20歳未満の子どもたち約1300人が生活しています。
全ての都道府県に設置されているわけではない為、児童心理治療施設がない地域もあります。
心理的問題を抱え、社会生活への適応が困難な子どもたちを対象として短期間の入所を行ったり、保護者の元から通所し、医療的な視点から、生活支援や心理治療を行っています。
以前は「情緒障害児短期治療施設」と呼ばれていましたが、2017年4月の児童福祉法改正に伴い、名称が変更となりました。


児童心理治療施設の入所理由・経緯

入所理由としては、保護者による虐待に加え、子ども本人の問題による監護困難が最も多く、約38%を占めています。
(※監護=何かを監督し、保護することを指す言葉です。ここでは、親権に該当する「監護権(親権に含まれる子どもに関する権利のことで、子どもと共に生活をして日常の世話や教育を行う権利のことを指します。)」を指しています。)
監護困難の背景にはADHDや愛着障害、自閉症スペクトラム障害や精神疾患など、心理・精神的な課題や障害があり、入所している子どもたちの約80%以上に何らかの診断がついています。
児童心理治療施設への入所は児童相談所が必要と判断した場合による措置により決定されます。約55%が家庭から、次いで約15%の子どもが児童養護施設からの入所になっています。


児童心理治療施設の機能・役割

児童心理治療施設の主な機能・役割についてご説明します。
・心理的治療
・生活支援
・教育支援
・家族、地域との連携

どれも児童養護施設の機能・役割として大切なものです。
それぞれについて、詳しく説明していきます。

心理的治療

児童心理治療施設には、精神科や小児科の医師が配置されており、カウンセリングを用いた心理療法を行っています。 子どもの状態に応じて症状の緩和の為に、服薬による治療も行っています。

生活支援

入所している子どもたちは、学校を始めとする社会集団の中で他者との関係をうまく築けず、適応できなかった経験から傷つき、自信を失っている子どももいます。 職員や他児と寝起きや食事、遊びや作業などを通じて、自立に向けて多くのことを経験し自信を取り戻していきます。

教育支援

近隣の学校や分校、分教室など施設によって形態は様々ですが、教育委員会と連携し学校教育を保障し支援しています。 いずれの場合も通常の学校や学級の単位よりも小規模少人数による教育が行われ、子どもたち個別の力に応じた支援が行われています。

家族、地域との連携

施設での治療が終わり、退所となると家庭や元居た地域に子どもたちは戻っていきます。 退所後の生活がスムーズに移行できるように家族との関係調整や学校との連絡調整も職員の重要な仕事になっています。


児童心理治療施設の仕事について詳しく見る




参考引用元

全国児童心理治療施設ネットワーク
こども家庭庁 厚生労働省資料「児童養護施設等入所児童調査の概要」資料集「社会的養育の推進に向けて(令和5年4月5日)」