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児童養護施設



児童養護施設


児童養護施設は社会的養護の基本的理念の元、保護者と離れて暮らしている児童を養育する施設です。
児童養護施設の概要やその役割、入所に至る経緯などを解説していきます。

◯目次


・児童養護施設の概要
・児童養護施設の入所理由・経緯
・児童養護施設の機能・役割

児童養護施設の概要

児童養護施設は児童福祉法41条に規定された児童福祉施設です。
全国に610か所あります。
1歳から原則18歳(22歳まで延長可能)までの子どもたち約2万3000人の子どもたちが生活しています。
入所している子どもたちの生活を支え、成長や発達に応じた自立を目指した支援を行います。


児童養護施設の入所理由・経緯

児童養護施設に入所する理由は様々ですが一番大きな割合を占めているのが保護者からの虐待です。虐待以外にも、保護者の病気や失業などで子育てができなくなったことによって家族と離れて暮らすようになったことなどが理由としてあげられます。
児童養護施設では、虐待を受けた子どもは53.4%、何らかの障害を持つ子どもが23.4%と増えていて、専門的なケアの必要性が増しています。
児童養護施設への入所は児童相談所が対象の子どもの養護が必要と判断した場合に措置により決定されます。
家庭からの入所が多くを占めますが、乳児院や児童自立支援施設など、他の社会的養護施設からの措置変更により、入所する場合も有ります。

児童養護施設の機能・役割

児童養護施設の主な機能・役割についてご説明します。
・子どもたちの生活・自立支援
・より家庭に近い環境での養育
・子どもたちのライフステージに合わせた支援
・多機能化・高機能化

どれも児童養護施設の機能・役割として大切なものです。
それぞれについて、詳しく説明していきます。

子どもたちの生活・自立支援

入所している子どもたちの安全・安心な生活環境を整え、衣食住を含む日常生活の支援や学習の指導を行い、心身の健やかな成長とその自立を支援する機能を持ちます。
また、職員との継続的で深い関わりを通じて愛着関係を育み、虐待や保護者との分離体験で傷ついた子どもたちの心理的ケアや基本的な信頼関係の回復に努めます。

より家庭に近い環境での養育

児童養護施設は施設であると同時に子どもたちにとっては生活の場=家でもあります。
施設の形態によって子どもたちが共同で生活する単位が異なっています。
生活単位や空間を小さくすることでより一般の家庭に近い生活環境での養育を目指した「家庭的養育」をされている施設も多くあります。

子どもたちのライフステージに合わせた支援

入所前や入所中の支援はもちろんですが、退所前の準備や退所後のアフターケアも重要な役割の一つになっています。また保護者や関係機関との調整や連絡を含め、子どもたちの成長やライフステージに合わせて必要な支援を行っていきます。

多機能化・高機能化

地域の子育て支援拠点として、児童養護施設には多機能化や高機能化が求められています。
実際の取り組みは施設によって異なりますが、障害などがありケアニーズが高い子どもの養育に対応ができる専門性の向上や小規模化による地域分散、里親支援機能や一時保護受け入れ体制の強化などが実践されています。

児童養護施設の仕事についてより詳しく見る。



参考引用元

全国児童養護施設協議会
こども家庭庁 厚生労働省資料「児童養護施設等入所児童調査の概要」資料集「社会的養育の推進に向けて(令和5年4月5日)」