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乳児院



乳児院


乳児院は社会的養護の基本的理念の元、保護者と離れて暮らしている乳幼児を養育する施設です。
乳児院の概要やその役割、入所に至る経緯などを解説していきます。

◯目次

・乳児院の概要
・乳児院の入所理由・経緯
・乳児院の機能・役割

乳児院の概要

乳児院は児童福祉法37条に規定された児童福祉施設です。
現在、日本全国に145か所あります。
児童養護施設は1歳以上が対象になるのに対して、生後数日から就学前までの子どもたち約
2,300名が生活しています。


乳児院の入所理由・経緯

乳児院への入所理由で最も多いのは虐待で、全体の約4割を占めています。
次いで家族の病気等の理由が2割ほどあり、他にも経済的に困っていることや離婚・別居などの理由があげられます。
社会の状況が変わり、一時期は乳児院に入所する児童は減ったものの、現在は増加傾向にあります。
乳児院への入所は児童相談所が乳幼児の養護が必要と判断した場合に措置により決定されます。

乳児院の機能・役割

乳児院の主な機能・役割についてご説明します。
・乳幼児の養育
・保護者・里親家庭への支援
・地域の子育て拠点としての機能
・生まれと育ちをつなぐ

どれも乳児院の機能・役割として大切なものです。
それぞれについて、詳しく説明していきます。

乳幼児の養育

乳幼児の年齢や成長に合わせて食事や睡眠、遊びなど生活全般を支援しています。
基本的生活習慣や愛着形成などを大切に、子どもたちと密に関わっています。
乳幼児をお預かりするという施設の特色から、看護師の配置や病院付属の乳児院が多い点も特徴の一つです。

保護者・里親家庭への支援

入所している子どもたちと離れて生活する親や保護者との関係を保ち、家庭復帰に向けた交流や、子育てに関する悩みの相談に応じます。
乳児院では、養育家庭への委託も積極的に行われています。
家庭に子ども迎え入れ養育していく養育里親や特別養子縁組里親を希望する家庭に対して複数回の面会や面接を通してマッチしていくかどうかを見極めていきます。

地域の子育て拠点としての機能

乳児院の中には子育て相談を受け付ける家庭支援センターの機能や幼稚園を併設している施設もあり、地域の子育て拠点としての機能も併せもっています。

生まれと育ちをつなぐ

様々な理由で乳児院に入所している子どもたちですが、それぞれ家庭復帰や里親への委託、施設への入所等、ライフステージに合わせて生活の場が変化していきます。
乳児院は子どもたちの安心安全を守り、その後の生まれと育ちをつなげていく社会的養護の最初の重要な砦なのです。



乳児院の仕事についてより詳しく見る。



まとめ

・乳児院は養護に欠ける乳幼児の養育を行う施設である。
・入所理由は虐待が最も多く、児童相談所によって措置される。

参考引用元

全国乳児福祉協議会
こども家庭庁 厚生労働省資料「児童養護施設等入所児童調査の概要」資料集「社会的養育の推進に向けて(令和5年4月5日)」