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【二葉むさしが丘学園】職員インタビュー(竹村さん前編)

チャイボラインタビュー

児童養護施設

2019/11/05 15:59
【二葉むさしが丘学園】職員インタビュー(竹村さん前編)

二葉むさしが丘学園でケアワーカーそして自立支援地域連携コーディネーターとして働かれている竹村さんのインタビューです。



——この仕事に携わることになったきっかけは?


元々はアパレル業界に興味があり経済系の大学に入学しました。しかし途中でちょっとした挫折があり、将来に悩んでいたとき、ゼミの担当だった心理学の先生から、子どもが好きだったこともあったので保育業界に行けば?というアドバイスをもらいました。
  ただ、絵やピアノが得意なわけではなかったので、保育は厳しいと話していたところ、福祉業界はどうか?と提案して頂きました。児童虐待の問題に関心があったこともあったので、思い切って福祉の大学への編入学を決めました。
 また、今は解散してしまったのですが日本青年奉仕協会(JYVA)が主催する「ボランティア365」という全国の福祉施設等に1年間住み込みで有償ボランティアをするプログラムに大学を一年間休学して参加しました。

—— プログラムではどのような経験をされたのですか?


僕は兵庫県の児童養護施設に行くことが決まり、幼児ユニットに配属されました。ボランティアながらローテーションに入って勤務をするので、経験もまったくなかった自分にはすごく苦労が多かったんですが、とても楽しかったです。1年も経つと子ども達との関わりもとても深くなりました。
どの子どもたちも、ポテンシャルがあるのに境遇によって可能性を抑圧されているのはすごくもったいないなと思っています。そういう子たちが何かをきっかけに大きく変化することを目の当たりにしました。
まったく何の経験もなく児童養護施設というところで子どもたちと関わることになったわけですが、その子の人生にとって、少しでもプラスの存在になれたのかなと思った時に、こんな自分でも子どもたちの味方やサポーターの一人にはなれるのではないかと感じ、児童養護施設の職員という仕事を目指そうと考えはじめました。



「ケアワーカー」と「自立支援・地域連携コーディネーター」の2つの職種で働いてみて、それぞれのやりがいを教えてください。

―—ケアワーカーとしてのやりがい


ケアワーカーは、子ども期という大切な時期に関わるので、子どもの人生に大きな影響を与えます。ですので、責任も強く感じますしその分やりがいも多くありました。色々な課題に直面しながらも、チームで子どもに関わり、良い方向に進んだ時に強くやりがいを感じます。
僕が一番に心掛けていたのは、子どもたちが楽しく生活するということです。みんなが楽しく笑顔で過ごせた時に、「この仕事でよかったなぁ」と夜道を帰りながら思っていましたね(笑)。


——自立支援・地域連携コーディネーターとしてのやりがい


児童養護施設って閉鎖的な部分があると思うんです。児童養護施設と言うどういうところかもわからないし、大人の顔が見えづらいところの子どもとトラブルになったということで、学校側へクレームがいってしまったり、下手すると偏見につながってしまうこともあります。まずは僕ら職員が地域の保護者の方々と自然に関わることで良い形に変えていきたいという思いがあります。
 色々な地元のイベントに顔を出すようにしているのですが、児童養護施設の職員ってことも珍しいのか、施設のことや子どもたちのことについて色々聞いてきてくれます。僕ら職員だけでは出来ないことでも、地域の人や団体と結びつくことで子どもたちに出来ることが一気に広がっていくという可能性があるなと感じています。
 子どもたちの自立を考えたときにも、身近な地域に応援してくれる大人を1人でも多く増やしてあげることや、色んな「職業」のモデルに触れるということは大切なのかなと感じています。
 連携したいなと思う人に対しては、具体的にここが足りないから、協力してほしいと<のりしろ>を伝えることを心がけています。実際に顔を見せて発信することが成果につながると思いますね。もちろん虐待予防のためには僕らが児童養護施設のノウハウを生かしてもっと地域に貢献する必要もあります。お互いWin-Winの関係で一緒に発展していきたいからこそ、地域支援ではなく、地域連携という言葉を使っています。
 地域との関係を見つめ直すことで今後の施設のあり方が自然と見えてくるのかなと思っています。あと今改めて感じるのは、子どもたちの一番身近にいるケアワーカーが本当に重要な存在だと思うので、コーディネーターとして黒子的にサポートができればいいなと思っています。



前編はここまで。いかがでしたでしょうか?後編では今働かれている施設のアピールそして今後の展望についてもお話いただきます!