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修徳学院職員インタビュー!!

職員さんインタビュー

児童自立支援施設

2022/03/18 18:43
修徳学院職員インタビュー!!
こんにちは 大阪府立修徳学院です
今回は職員インタビューとして自立支援課の西田課長にお話を伺ってきました!
ぜひ読んでみてください(^^) (インタビュアー:スエ)

※大阪府福祉部における個人情報保護の観点から画像は加工させていただいています。

☆西田課長プロフィール☆
平成9年度に大阪府に入庁
以来、25年間修徳学院で専門職として勤め、うち20年間夫婦で男子寮運営に携わる。
現在は寮運営を離れ、自立支援課長として修徳学院全体の総括をしている。

今日はよろしくお願いします。ではさっそくですが、質問していきたいと思います!
ーー修徳学院について「ここが魅力です」と思うところを教えてください

西田課長:「基本的にデスクワークというよりかは、子どもたちと一緒に活動することがメインの仕事なので、共に汗を流すことは楽しみの一つかなと思います。」

学院の夫婦小舎制(※)という仕組みは職員の家族も寮で暮らしますが、ご自身のお子さんも生徒と同じ空間で子育てされていたのですか?
  (※専門職として採用された夫婦の職員が10名程度定員の小舎で寮を営む施設形態の一つ)

西田課長:『そうですね。うちの場合は小学校高学年くらいまでだったかなと記憶しているのですが、生徒たちと一緒にご飯を食べたり、勉強を教えてもらったり、休みの日には家族と生徒みんなで出かけることもありましたね。
うちの教母(妻)がよく「仕事中でも自分の子どもに『いってらっしゃい』『おかえり』を言ってあげられるのでありがたい仕事だな」と言っていました。」
スエ:『生活と仕事の空間が同じ修徳学院ならではの魅力ですね!』

ーー20年間ご夫婦で寮を持たれていた中で、退院生とはどういった関わりがありますか?
西田課長:『結婚式に夫婦で呼んでもらったこともありますし、成人した退院生とは飲みに行ったりすることもありますね。
帰りは教母に運転してもらうんですが笑。
歳を取るごとに「僕らが勉強になるなあ」「負けてられへんなあ」という気持ちにさせてもらってますね。
退院生の中では僕らは“当時の先生・教母さんのまま”だし、逆に僕らは“学院にいた時の生徒のまま”で止まっているので、久しぶりに会うと、退院生はすごく成長しているんだけど、こっちはどんどん年老いちゃって…笑。
生徒のイメージしていた人になれているのかなあと、不安にもなりますが、刺激をもらっています。
一緒に生活した生徒全員とこういった関わりを持てるわけではありませんが、長く寮を持っていると少しずつ、そういう関係も増えていきます。
その度にありがたい仕事だなあと感じますね。』
スエ:『一緒に生活して濃密な時間を共有することで、生徒たちが退院してからも人として一生の付き合いができるのもこの仕事ならではの魅力かもしれないですね。』

ーー次の質問ですが、生徒たちと接するときに意識していることや大切にしていることがあれば、教えてください。
西田課長:『良くも悪くも生徒の人生に影響を与える仕事だと思うので、無責任な言葉がけはしないように意識しています。
今までも言われてきたような、まあ当たり前なことは言わないようにっていうのも意識していますね。
例えば「ケンカはあかんよ」とか「これはいい、これはあかん」じゃなくて「ケンカはしてもいいけど、するなら自分より強い子としなさい」とか。そういうような子どもに響くような言い方であったり伝え方っていうのは意識していますね。・・・違うか?笑』
スエ:『いえいえ笑 課長の思ってらっしゃることを話してもらえたら何よりなので。笑』

ーー今まで見てこられた生徒の中には学院の日課に対して「なんでこんなんせなあかんねん」とか反発する生徒もいたと思うんですが、そういう場合はどんな関わり方をしていましたか?
西田課長:『やっぱり日課の中でも好き嫌いとか得意不得意とかもあるので、そういう態度の子ほど苦手なことに取り組んだことを認めてあげる声掛けをしたり、その場で声は掛けてなくても“そういう取り組みをしているところは見ているよ”ということは伝えたりはしていましたね。』
スエ:『ここにくるまでに認めてもらえなかった子も多くいるからこそ、そういった声掛けは大切ですね。』

ーー夫婦制の楽しさ・むずかしさということでなにかありますか?
西田課長:『基本僕は教母とおることが好きなので。まあ誰でも基本はそうやと思うけど。笑
とはいえ、たまに一人の時間がほしいと思うことがあって、そういう時にちょっと言い辛いっていうのはあったかな。笑

ーーお休みの調整とかは教母さんと「ちょっと一息つくわ」みたいにやりとりされてたんですか?
西田課長:「そうやねえ。まあ教母に「ちょっと風呂行ってくるから」みたいに声はかけて出る感じでしたね。
まあ振り返ると、そんなにケンカをした記憶はないですね。
お互い「これ以上言うと良くない言葉が出そう」というときは黙っちゃうっていうのはあったかな。笑』
スエ:『お互いそこはセーブされていたんですね。笑』

ーー職場の雰囲気はどんな感じですか?
西田課長:『んー、それは一番大事じゃないかなって考えてて。
やっぱり子ども達にいくら良いことを言っていても、単純に大人が楽しめてなかったり、前向きじゃなかったりしたら、子どもたちも「ここの大人は口だけで言っているな」と簡単に見抜くので。
“僕もそう思いながら生きているよ”ということを前提に子どもたちに色んなことを伝えるようにしていたので。
そういう気持ちで楽しいことも失敗も大人が見せることで伝わることがあると思います。
そして自分がそういうことを意識していると、自分のほかにも同じような気持ちを持った人や「何か職場のために考えてくれているな」という人が見えてくるので、今はそういう人が多く働いてくれているというのは感じます。』
スエ:『私も働いている中でここは職員の年齢関係なく、楽しく仕事ができるなあと感じています。』
西田課長:『「こうじゃないとダメ」とかじゃなくて、皆がそれぞれの考え方とか立場を尊重しながら皆が楽しく働けるようにと意識してくれている人は多いかなと感じます。
やっぱり大人同士のそういう雰囲気も生徒たちは見ているので、そういう意味ではここは良い雰囲気の職場で、働きやすいんじゃないかなと思います。』
スエ:『子どもたちと生活し、濃い時間を共有する施設だからこそ、大人同士のコミュニケーションも大切ですね。』

ーー全国的に児童自立支援施設の中で“夫婦制”が減少してきていますが、それについて何か感じることや、これからの児童自立支援についてお  考えがあれば聞かせてください。
西田課長:『すごく難しい課題ではあるし、これが正解っていうものがあるわけでもないと思うんだけど、気軽に見学に来てほしいなと。
やっぱり施設の特性上とっつきにくかったり、どんなものか認知されていなかったりという面があるので、そこはしょうがないとも思うんですけど、人生かけてやってみたいと思える仕事だと思います。公務員という立場なので、組織として求められることもあるけれど、自分の考えやしてみたいことを反映できるので、やりがいや面白みのある仕事だと思っています。なので、そういったところが魅力だと思える人に来てほしいなと思いますね。』


ーーでは最後になりますがチャボナビを利用する学生・求職者にメッセージをお願いします!
西田課長:『チャレンジしようとする気持ちを持った大人でいてほしいです。
失敗しそうやからやらんとこうとかじゃなくて、やってみた結果、上手くいくことも、失敗することもある中で、それを人のせいにせずに、「よっしゃ次は」という気持ちでどんどん挑んでほしい。
その気持ちがあれば子どもたちに伝わることもたくさんあるし、そういう大人がたくさん集まればすごく素敵な施設にもなるかなと思うので。
そういう方を待っています!』

本日はありがとうございました!