10月23日に神奈川県横浜市にある児童養護施設『聖母愛児園』を訪問してきました。
応接室.jpg)
横浜といえば「みなとみらい」「中華街」「元町商店街」など観光地が数多くある地域です。そんな中心地から徒歩10分圏内に児童養護施設があることをご存じでしたか?
JR「石川町駅」から徒歩約12分程度、みなとみらい線「元町・中華街駅」からは徒歩約7分程度にある山手地区という高級住宅街に聖母愛児園はあります。
▽みなとみらい

▽道中に通る坂の写真
.jpg)
なぜ、そんなところに施設があるの!?と思うかもしれませんが、聖母愛児園の歴史は80年ほどと長く、昔からこの地に根付いてきた為、その後、周辺が高級住宅街となり、みなとみらいなどの開発が進んだというのが正しいようです。
そんな都会にある「聖母愛児園」についてご紹介していきます!
まるでマンモス施設!?マンションのような小規模施設
聖母愛児園は、敷地内に全部で4棟の建物があり、地域に一軒家の建物が2つあります。建物内にあるホーム(一緒に生活するグループの単位)の数などのイメージは以下の通りです。
・・・・・・・・・・・・
【本体施設】
定員61名・すべて男女混合縦割り
各ホーム定員6名
[Aブロック]
3F シモンホーム/ルカホーム
2F トマスホーム / アグネスホーム
1F 管理棟(事務室・職員室・会議室など)
※1:18歳で卒園された方が生活できる事業のこと
[Bブロック]
3F セシリアホーム / テレジアホーム
2F 自立サポートホーム
1F エンジェルホーム(園内保育)
[Cブロック]
4F ヨハネホーム / ベルナデッタホーム
3F ミカエルホーム / アンナホーム
2F 児童家庭支援センターみなと/心理室など
1F 地域交流ホール
上記に加えて職員寮の1棟があり、全4棟となっています。
[地域小規模児童養護施設]
本郷ホーム:6名定員・女子のみ縦割り
千代崎ホーム:6名定員・男子のみ縦割り
・・・・・・・・・・・・
マンションのように各ブロックに2~4つのホームがあり、他施設と比べても建物の大きさや規模は相当大きいと感じました!
それでは、内観を見ていきましょう▽
まずは、ホームの中へこちらはリビングとダイニングキッチンです。

そして、児童居室です。基本的に一人部屋です。
▽フローリングの部屋

▽畳(たたみ)の部屋

6LDKの間取りで、畳の部屋のみ少し広めの造りをしています。
そして、1つのフロアで2ホームが宿直室を介して繋がっているような構造になっています。
これらは基本的にどのブロックでも同じ造りでした。
各ホームは小規模な養育環境でありながら、職員が孤立しにくく、すぐに他のホームなどから駆けつけたり気軽に相談できる環境だと感じました。
次にホーム以外の内観を順番にご紹介します。
Aブロック1Fの管理棟と言われる部分です。
▽エントランス

▽応接室

▽会議室

Bブロックの1Fにある園内保育の園庭には芝生とプールが!!プールは夏に幼児から小学生までが遊べるそうです。


Cブロック1Fにある地域交流ホールです。

交流ホールは施設内行事の礼拝やクリスマスパーティ等に使ったり、卓球の練習に使うこともあるそうです。また、地域の方が使うことも可能だそうです!
そして、Cブロックの裏手には下庭(したにわ)と言われる園庭があります。

フットサルやバスケなどが遊べるほどのスペースがあり、ボール遊びを中心に子どもたちの遊び場になっています。
最後に職員寮の外観です。
聖母愛児園の門をくぐり、すぐ右側(一番手前に位置しています)

中までは入ることができなかったのですが、単身用は、ワンルームで6畳ほどの一般的な間取り、家族向けは1LDKと2LDKのお部屋があるようです。
家賃は単身向けと家族向けでそれぞれ、部屋によって若干の変動はあるようですが、¥21,000~¥30,500と、かなり安いです。
この立地にこの価格で住めるのはありがたすぎます、、、!!
すべての設備やお部屋を紹介できたわけではありませんが、施設のイメージは持てたのではないでしょうか。
ここまでは施設のハード面を中心に触れてきましたが、肝心な施設の支援方針や取り組みなどのソフト面をご紹介します▽
まつしまが、特にすごいと感じたところをご紹介!
◆子ども一人ひとりの個性に合わせた「個別支援」の徹底「当園では、一人ひとりの子どもたちを大切にする『ケア的養育(太陽の養育)』に力を入れています!」
例えば、ルールや指導・罰則などを重視するのではなく子どもに寄り添い、耳を傾け、対話をしていく養育のことで、本来家庭で感じるはずだった「当たり前」の安心・安全な生活と職員ら大人たちとの信頼感を育む養育を推奨しています。
特に不登校児への支援においては成功事例もあり、子どもたちが抱える様々な問題に対して、職員一丸となって解決に導く体制が整っています。
◆業務効率化を徹底する「IT化」
職員が子どもたちと向き合う時間を最大化するため、最新のITツールを活用した業務効率化を進めています。情報共有ツールを導入し、例えば、システムの中に子どもの起床・就寝時間や食事量、服薬状況などのあらゆる情報を一元管理できるようにすることで、「最近、この子が不調な理由はなんだろう?」と疑問が出た際に、直近の睡眠時間が短いためか、食事量が足りてないためかなど原因を見立てる際の情報収集をスピーディにできるようにし、1秒でも多く子どもと関わる時間が確保できるよう工夫をしています。
◆職員の「向上心」に応える独自の研修制度
外部の研修機会が減る中でも、職員の成長意欲を支えるため、約5年前から独自の「まかな研修※2」という取り組みを実施しています。これは、外部研修では扱われない題材ではあるものの、現場の職員が「実は気になっていた」「あったら嬉しい」と感じるテーマ(子ども達の自立について管理、調理について、横浜市中区を知ろう!など)を施設内の職員が講師となって行うユニークな研修です。
※2:「まかな」を逆から読むと「なかま」となり、よりチーム連携を深めるための研修という由来があります
◆エンジェルホーム(園内保育)がある!
エンジェルホームは、日中の時間だけ、聖母愛児園内の幼児(稀に小学低学年)を預かるホームで、言わば、入所児童専用の保育所というイメージです。
聖母愛児園は縦割りという特性上、2~18歳の幅広い年齢の子が生活をしており、学校に行っている時間帯に幼児の対応でホーム職員の休憩時間や事務作業時間が取れないという課題が起きます。そこで園内保育へ預けることで、その時間を確保できるというメリットがあります。
それだけでなく、ホーム内に同年齢児が少ない環境のため、同年齢の子たちとの交流や触れ合う経験を学ぶ場としても役に立っています。
全国的に見ても、施設内で園内保育を実施している施設は少ないのではないかと思います。
◆自立サポートホーム(児童自立生活援助事業Ⅱ型)を運営している
この事業を実施している施設は全国的に徐々に増えてきていますが、まだまだ取り組んでいる施設も少ないと思います。また、聖母愛児園は横浜市の中でも先駆的に取り組んだ施設の1つです。
まとめ
以上が、聖母愛児園に行ってみて「見て」「聞いて」「感じた」訪問レポートでした!
最後に補足すると”マンションのような”という表現をしましたが、隣同士のホームであっても、子ども同士は玄関から玄関へ出入りをしますし、勝手に隣のホームに入ることなく「トントン、お邪魔しまーす」と挨拶をしてからドアを開けています。
そういった意味で、各ホームが家であり、10世帯あるホーム同士がご近所同士である、とても家庭的な施設さんでした。(もちろん地域小規模児童養護施設は、THE家という感じです)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
そんな素敵な聖母愛児園に皆様もぜひ見学に行ってみてください!!
随時受付もされていますし、月に1回の就職説明会も実施されています。
気になる方は、下記のページからお申込みやお問合せをしてください。
▽聖母愛児園 紹介ページ
https://chabonavi.jp/place/89

