6月30日(金)に、牛堂と東京都世田谷区の児童養護施設「福音寮」さんを、メンバーの牛堂とともに訪問しました!
福音寮は、京王線「桜上水」もしくは「上北沢」から徒歩10分。最寄駅から新宿まで12分と、アクセス抜群な場所にあります!
本園の周辺は駅から近いのに、落ち着いた閑静な住宅街です。
当日は副施設長の和田さんが園内の案内と、福音寮についてのお話を聞かせてくださいました。
秋山理事長、千葉施設長にもご挨拶させていただき、3名の現場職員さんのインタビュー動画も撮影させていただきました!
↓左から和田さん、上野

皆さんとお話して感じた福音寮の特色は、この4つ!
①小規模養育と食育②アフターケア③地域とのつながり④歴史と変化
この4つのテーマに沿って、福音寮のことをお伝えできたらと思います!
①小規模養育と食育
初めに驚いたのが、運営するグループホームの多さ!本園には3ユニットがあり、世田谷区内には8つのグループホームを運営しています。
現在は1ホームあたり5-6人の体制で運営されているそうですが、数年以内に4名定員にすることを目標に、グループホームを増やしていくそうです。
本園の中のユニットを拝見したのですが、しっかりと個室が確保されながらも、職員が調理を行うキッチンからも、職員さんが事務作業を行う事務室からも、リビングの様子がしっかりと見える空間になっていました。
こどものプライベートと、職員の働きやすさが両立している環境ですね!
↓本園内のユニットのリビング

↓お邪魔した男の子ホームのリビングには、漫画がたくさん!

↓事務室からもリビングの様子がよく見渡せます。
本園の宿直の方は、この写真の右側に写っているベッドで休まれるそうです。

↓キッチンから見たリビングはこんな感じ。
キッチンが広々としていて料理しやすそうです!

福音寮は、食育に力を入れていて、食事は各ホームで完全調理。
なんと献立も各ホームの職員さんがたてているそうです!
(いろいろな施設さんのお話を伺っていると、各ホームで調理している場合でも、栄養士さんが献立をつくっている施設が多い印象なのです)
献立を考えるため、ホームにはレシピ本がたくさん。職員さんがレシピを考えたあと、栄養士さんがチェックをして、アドバイスをくださるそうです。
全ホーム統一の献立よりも、確実にこどもたちの残食が減るんだとか!確かに、各ホームでいつもこどもと過ごしている職員さんだったら、1人ひとりの子の好き嫌いなども頭に入れながら献立を検討できますもんね。
↓使い込まれたレシピ本は、歴代の職員さんの努力の証

お誕生日には、食べたいもの・食べたいケーキをリクエストできるそう!
ケーキはケーキ屋さんで買うか、職員の手作りかもこどもが選べるそうですが、職員の手作りケーキの方が人気なんだそうです!(ほっこり)
また、福音寮のどのホームのリビングにも飾ってあるのが、「食べる新聞」!
もともと、こどもの「他のホームがどんなふうに生活しているのか知りたい!」という声からはじまり、もう10年以上続いてるんだとか。
月ごとに各ホームの持ち回りで作成をしているそうです!


栄養士さんによる、手作りの食育コラムもリビングに置いてありました。
こちら、毎月内容が変わるんだそう!


「こどもたち、結構見てるんですよね〜!『へぇ、そうなんだ』って言いながら読んでますよ」と和田さんが教えてくださいました!
グループホームのキッチン、リビングのお写真も見せていただきました!
グループホームは基本地域の一軒家をお借りして運営しているそうで、内装は各ホームで大きく違うそうです。
リビングもキッチンもひろーい!


↓グループホームの事務室
とっても綺麗な事務室!宿直の際は、このお部屋に布団をひいてお休みになるそうです。

②アフターケア
福音寮ではアフターケアにも注力!福音寮の卒寮生でモデル・タレントの田中れいかさん・同じく卒寮生の岩寺さんが中心となって、毎月「福カフェ」という卒寮生が集まる機会をつくっているんだとか。毎月1度、帰れる機会が保障されているのは安心ですよね。
また、卒寮生へ「誕生日カード」を届ける取組も。
家庭復帰した子、福音寮から自立した子どちらに対しても、関わった職員全員からメッセージを集めて毎年お祝いするそうです!素敵!
↓食料品の寄付は、主にアフターの子たちに配っているとのこと。
自立支援担当職員や、その子がいたホームの職員が今暮らしているお家まで届けるそうです!

こどもからダントツで人気なのは「ラーメン」とのこと。
タイミングによって必要な寄付も変わってくるので、寄付をご検討されている方はぜひ事前に「今、何が必要か」を施設へ確認してみてくださいね!
↓卒寮制作の「ふくいんりょうのうた」、大ホールに飾られています

③地域とのつながり
和田さんとお話していても、職員インタビューをしていても、何度も出てきたのが「地域への感謝」のお言葉。
福音寮は世田谷区上北沢に誕生して80年!戦後の戦災孤児を守る活動から始まって、ずっと地域に根ざして活動されています。
福音寮の本園の前の道は「福音寮道」と名づけられていて、実際に道端にも「この道は福音寮道です」という看板がかけられていました。
グループホームの物件をご紹介いただいたり、福音寮祭りのバザーの物品提供にご協力いただいたり、ボランティアとして継続的に関わっていただいたりと、地域の方からの支援が運営において欠かせないそうです。
地域の方々も一緒になって、福音寮のこどもたちを見守っているんですね!
法人として、地域の子育てを支える事業もたくさん運営されています。
同じ法人で保育園、学童クラブ、放課後等居場所事業、ショートステイ・トワイライトステイ、おでかけひろば等を運営していて、福音寮の本園のすぐ隣に保育園が、本園の大ホールの中に”ぽっぽちゃんひろば”という地域の子育て家庭が使えるおでかけひろばがあります。
職員インタビューしている時には、隣の保育園から元気いっぱいのこどもたちの声が聞こえてきて、とっても微笑ましかったです(笑)
また、保育の仕事に関心がある高校生が長期休みに法人の保育園でアルバイトをするなど、法人内で連携して入所しているこどもの選択肢を増やす取組もされているそうです!
↓本園の3階にある「ぽっぽちゃんひろば」。
地域で子育てしている親子の居場所事業です。



④歴史の長さと変化
職員インタビューをしている中で、「ここ1-2年で大きく変わった」と職員さんから声があがっていたのが”こどもの声を聴く”こと。
具体的にどんな取り組みをされているのか、和田さんに聞きました。
【取り組みその①】
福音寮では、違うユニットの職員で構成される『委員会』があり、なんとその中の『養育委員会』の担当メンバーが、全ユニットを回って全入所児童とお話をしたとのこと!
その時に出た声をきちんとまとめ、できるだけこどもたちの意見が日々の暮らしに反映されるよう、工夫しているそうです。
もちろん、施設を運営していく上で、予算や実現性の観点から難しいこともあります。
でも、ただ「ダメ」「できない」と伝えるのではなく、「こういった形だったらできるよ」と代替案を示すことで、実現できる形をこどもと共に模索することを心がけているとのことです。
【取り組みその②】
日々職員さんが記入する記録の中に、「こどもの声」という項目を作成したそう!さらに、どんな声があがったのかだけではなく、「いつまでに」「どのように」対応するのかも明記しているとのこと。
この取り組みで、こどもの声に対して職員がどう対応したのかが可視化されるようにしているそうです!
しっかりと項目として用意することで、引継ぎの際にも漏れなくこどもの声を伝えることができる。
複数の養育者がこどもと接する施設という場では、とても大切な取組だと感じました。
先程触れたように、福音寮は創立80周年と歴史が長い法人です。
ですが、現在進行形で”こどもの為に、変わっていく”取組をされていることが訪問を通して伝わってきました。
以上4つが、今回の訪問を通じて私の感じた福音寮の特色です!
最後に、記事の中でご紹介しきれなかった写真をご紹介★
↓心理室は2つあるうちの1つを拝見しました!


↓大ホールにいくまでの階段に飾られているアートやメッセージ。
「夢叶丸」力強い!

↓タレントの木梨憲武さんが寄贈してくださったアート。
こどもたちが上から書き足して、どんどんオリジナルの作品になっていっているそうです!

↓本園の中には、アート作品がたくさん♪
切り絵の先生が作品を寄贈してくださっているんだそうです!

◆施設インタビューも撮影しました!
当日は
・教員資格で新卒入職し、5年目のホーム長さん(男性)
・無資格で児童養護施設に転職し、3年目のケアワーカーさん(女性)
・社会福祉士で新卒入職し、2度の産休・育休を経て働く10年目のファミリーソーシャルワーカーさん(女性)
の3名にインタビューのご協力をいただきました。
それぞれ学んできたこと・経験してきたことはさまざまなお三方が、福音寮で児童養護施設のお仕事にどのように向き合っているのか、インタビューが公開されたら皆さんぜひチェックしてくださいね!
副施設長の和田さん、秋山理事長、千葉施設長、インタビューに協力いただいた3名の職員さん、お邪魔したホームの職員さん・お子さんたち、本当にありがとうございました!
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