みなさんは、『児童自立支援施設』という施設について、そして『小舎夫婦制(1つのユニットや寮を夫婦で担当する支援方法)』をご存じですか?また、どんなイメージを持っていますか?
今回は、小舎夫婦制で子どもたちと共に生活をする児童自立支援施設『兵庫県立明石学園』さんに訪問して写真も撮ってきました!少しでも訪問した気分になってもらえるよう写真多めでご報告いたします!

【児童自立支援施設とは?】
法律上のお話は少し難しく書かれているので要約すると・・・児童福祉法で定められた施設で、都道府県(政令指定都市を含む)に設置義務がありますが、全国でわずか58か所しかありません。
明石学園さんが兵庫県立なのもそういった理由から兵庫県が直営として運営されているようですね!
※全てが公立なわけではなく民間の児童自立支援施設もあります。
非行や生活上の問題を抱えた児童の自立を支援する施設(そのまんまですが…笑)
小学生高学年くらいから高校生程度の子どもたちが、家庭や児童養護施設などから入所するケースが多いと聞きました。
【明石学園の中をご紹介!】
[明石学園 本館]
こちらは子どもたちが平日に登校する分教室があったり、事務所がある本館になります。

[グラウンド]
明石学園の門をくぐるとまず目に止まるのはこの広いグラウンド!クラブ活動の野球も申し分なくプレイできる広さです。

[新体育館]
グラウンドの奥にはまだ新しくて綺麗な体育館があります!

中の様子はこんな感じ!
この日は卓球部とバレー部が半分で使用していました。

[生活寮]
男女別で寮が分かれていて、それぞれの寮に夫婦の職員さんが住み込みをしています。子どもたちは8人程度で生活をしています。


中はこんな感じでした↓
[リビング]

[子どもの居室]

[事務所]※窓越しですが、ご容赦ください...!!

[トイレ]

[洗面所]

[お風呂]

広ーい平家のお家に少し施設っぽさを感じさせるトイレや洗面所というのが新鮮ですね!
また、とある寮では職員さんの飼っているワンちゃんがいました!!

見知らぬ人(マツシマ)に吠えまくりですごく優秀な番犬でした(笑)
犬や亀など色々な動物を飼うこともあるみたいです!あとは実子を育てながら住み込みで働いてらっしゃる職員さんがほとんどで、職場というより『家』という印象を受けました!
ここで働く職員さんのインタビュー動画も撮ってきてます!
夫婦で働くってハードル高くないの?しんどいことないの?などなど色々なお話を聞いてきましたので、乞うご期待ください!!

[その他設備(図書館、お茶室)]


【職員さんと話をしてみて感じたこと】
ご夫婦で寮に住みながら、『生活を支援する』ではなく『子どもたちと暮らす』を実践されている明石学園さんですが、どういった経緯で夫婦で児童自立支援施設の職員として働くことになったのか聞いてみました。
まず、意外だったのはご出身が県外の方が多かったことです。埼玉県にある国立武蔵野学院の児童自立支援専門員の養成所で知り合い結婚したことをきっかけに明石学園で働き始めた夫婦や人との繋がりで誘われて働くことになった人、実習先が明石学園だった人などルートは様々ですが、そのほとんどが”人との繋がり”や”ご縁”があったこと。なので地元の人が就職ではなく、県外の方が多いようです。
■小舎夫婦制って『ふたりぼっち』なんです!
とある職員さんに小舎夫婦制や日頃のお仕事についてインタビューをしてみました。
その中で夫婦2人で8人程度の子どもたちと寝食をともにすることに抵抗感や困りごとはありませんでしたか?と聞いてみました。すごく印象に残った言葉は『ある意味、職場に夫婦2人だけなので、2人ぼっちなんです。』という言葉でした。 基本24時間子どもたちと一緒にいるのは夫婦である2人なので、夫婦で喧嘩をした時も2人(サポート職員が入る場合もあります)で子どもたちを見ていかなければならないので、その点はしんどいというか、困ることはあると話していました。もちろん、隣の寮や交代寮には先輩夫婦などもいるので困ったら相談したり、頼ったりできる環境ですので、周りに頼りながら乗り越えているとのことでした!
■休みやプライベートの確保は?
学園の中には、日頃から子どもたちが生活する寮の他に”交代寮”といって寮の職員さんがお休みをもらう際に数日間、子どもたちがそこに移動して生活する寮があります。交代寮はいわば、『親戚の家』『祖父母の家』に遊びに行くような感覚で、子どもたちにとっても慣れた場所。交代寮にもそれぞれ夫婦の職員さんがいたり、中には3名程度の職員で交代制を取りながら生活をしている寮もあるようです。
この交代寮のおかげで、ご夫婦の休みは確保されています。またその間は夫婦(家族)のプライベートの時間も確保されます。24時間365日、ずっと寮にいらっしゃるのかと思っていたので、その点が聞けてホッとしますね!
■まとめ
・児童自立支援施設は社会に自立していく子どもたちのための施設
・小舎夫婦制は、実はそんなにハードルが高くない!そして、実子が居ても働けて、実は労働環境がめちゃくちゃ良い!施設の職員というよりは、里親やファミリーホームのスタッフになる感覚に近いのかなと思いました。
長文になってしまいましたが、小舎夫婦制の形をとっている児童自立支援施設のことを知って欲しかったので、感じたことを書かせていただきました!
もし、直接見学してみたいという方は、兵庫県立明石学園さんにお問合せしてみてください!
<兵庫県立明石学園のページ>
https://chabonavi.jp/place/795
★明石の豆知識★
[下の写真はうおのたな商店街(通称:うぉんたな)で食べた明石焼です!]
ちなみに地元の方は明石焼ではなく、玉子焼(たまごやき)と呼ぶそうです。