創設の背景:里親制度の推進と質の向上
近年の社会的養護では、こどもが家庭的な環境で育つことを重視する「家庭養護優先」の原則のもと、里親制度の推進が大きな柱となっています。
それに伴い、里親が抱える養育の悩みや困難に専門的に応え、孤立させないための支援体制を強化する必要性から、この専門職が創設されました。
具体的な業務内容
里親支援専門相談員の仕事は、多岐にわたります。
・里親への相談・支援: こどもの養育に関する悩みを聞き、専門的な助言を行ったり、家庭訪問をしたりして、里親に寄り添います。
・レスパイト・ケアの提供: 里親が休息をとれるよう、一時的にこどもを預かるなどの支援(レスパイト・ケア)を調整・提供します。
・里親トレーニング: 里親の養育スキルを高めるための研修を企画・実施します。
里親制度の普及啓発: 新たな里親を増やすため、地域住民への説明会や広報活動を行います。
関係機関との連携: 児童相談所や学校などと連携し、こどもにとって最適な支援体制を整えます。
家庭支援専門相談員との役割分担
施設内では、こどもの実家庭への支援を専門に行う「家庭支援専門相談員」と連携します。主に、里親支援専門相談員は「里親家庭」を、家庭支援専門相談員は「こどもの実家庭」をそれぞれ担当し、協力してこどもの育ちを支えます。
任用要件
社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持つ者や、児童福祉施設等で5年以上の養育経験がある者などが、所定の研修を受けることで任用されます。