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知的障害

発達期(おおむね18歳まで)に生じる、知的発達の障害です。かつては「精神遅滞」と呼ばれていましたが、現在では医学的な診断名として「知的能力障害(知的発達症)」という名称が使われています。

診断の3つの柱


知的障害の診断は、IQ(知能指数)だけで判断されるわけではありません。最新の診断基準(DSM-5)では、以下の3つの基準をすべて満たすかどうかで、総合的に判断されます。

1.知的機能の困難さ:
推理、問題解決、学習など、全般的な知的機能に明らかな制約があること。

2.適応機能の困難さ:
年齢や文化に相応しい、自立した生活や社会参加が困難であること。具体的には、以下の3つの側面で評価されます。

・概念的領域: 言葉の理解、読み書き、計算、時間の感覚など。
・社会的領域: 対人コミュニケーション、ルール理解、共感性など。
・実用的領域: 身の回りの管理(食事、着替え、衛生)、金銭管理、交通機関の利用など。

3.発達期における発症:
これらの困難が、発達期(おおむね18歳まで)に生じていること。

重症度と支援


障害の程度は、軽度、中等度、重度、最重度の4段階に分類されます。この分類も、IQだけでなく、日常生活でどの程度の支援が必要かという「適応機能」のレベルが重視されます。
原因は様々ですが、早期に診断を受け、その子の特性に合わせた療育(治療・教育)や支援的な関わりを始めることが、本人の成長や社会参加にとって非常に重要です。知的障害と診断された場合、「療育手帳」を取得することで、様々な福祉サービスを利用することができます。

現状と統計データ


療育手帳を所持している方は、全国に約115万人います(2022年時点)。

厚生労働省HP「e-ヘルスネット‐知的障害‐」

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