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児童自立支援施設とは?



児童自立支援施設について

児童自立支援施設は、児童福祉法第44条に基づく児童福祉施設で各都道府県に設置されています。
2020年現在、全国に58箇所の施設があり、その多くが国公立の施設です。
児童自立支援施設はかつて「教護院」とも呼ばれ、不良行為をする恐れのある「虞犯傾向」と言われる子どもたちが入所、または通所しながら自立を目指す施設です。
18歳までを期限として約1400人の子どもたちが生活しています。

施設への入所の経緯

施設への入所の経緯としては、「施設からの措置変更」と「家庭からの直接入所」の2種類があります。
他の児童福祉施設からの入所の場合、その施設に入所している子どもたちが、施設在籍中に不良行為や犯罪行為を行い児童相談所の措置により入所します。
家庭からの入所の場合も、上記と同様の理由で入所します。
全体の約57%が家庭からの入所となっています。
また場合によっては家庭裁判所の審判を経て入所する場合もあります。
いずれの場合も不良行為に至る背景には不適切な養育環境があり、約40%の子どもたちが何らかの虐待を経験しています。

児童自立支援施設の仕事内容

  • ■生活支援
    児童自立支援施設は職員と児童が共に生活し育ちあう、「共生共育」を基本理念として、その多くは寮舎の中で職員と寝食を共にしていく事で、職員と子どもたちとの関係を密にしながら規則正しい生活を送っています。
    清掃を始めとする環境整備や、農作業などを通じて集団の中で自律性や協調性を身に着けて、自立していく力を養っている施設が多くあります。


  • ■学業支援
    児童自立支援施設の敷地内に施設の近隣の小中学校の分校が併設されており、義務教育に相当する期間の学習環境が保障されています。
    家庭での虐待環境など、不適切な養育環境や生育の過程で、学校に行けていない子どもたちも多くいます。
    その為、基礎学力の習得を中心に学習を行っています。
    学校に行っている時間以外にも学習時間を設けている施設も多く、職員と子どもたちが関係作りをする大切な時間にもなっています。


  • ■アフターケア
    児童自立支援施設から退所する場合、約6割は家庭に戻り、一般高校に入学したり、就職して行きます。
    児童自立支援施設への入所は18歳までとなっていますが、義務教育終了時の年齢までが入所期限になっている施設もあり、地域の児童養護施設に入所先を変更して新しい環境で生活していく場合もあります。
    いずれの場合も新しい環境に向けた心構え始め、少しずつ退所へむけて準備を進めていきます。
    退所後は児童相談所や、他の福祉行政や福祉施設等と定期的に連絡を取り合いながら、退所後の生活の様子を見守っていきます。
    必要に応じて相談に応じたり、関係機関と連携しながら支援を行っていきます。

参考引用元


参照:全国児童自立支援協議会HP

参照:厚生労働省HP「児童養護施設等入所児童調査の概要」