自立援助ホーム
自立援助ホームを利用している子どもたちは、なんらかの理由で親元を離れて、自立した生活を目指しています。自立援助ホームの利用は義務教育終了後の15歳から20歳まで(場合によっては22歳)が対象になっており、就労や通学をしながら安定した生活を目指しています。
1ホーム当たりの定員数は5~20名程度で、ほとんどの施設は6名程度の定員で運営をされています。
公的扶助で運営されている児童養護施設とは異なり、自立援助ホームでは、子どもたちが入所の費用の一部を自己負担し、一定の決められた金額を自立援助ホームに支払っています。
自立援助ホームは、児童福祉法第6条の3、児童福祉法第33条の6「児童自立生活援助事業」として第2種社会福祉事業に位置付けられています。
全国に118ヶ所設置されており約600名の子どもたちが生活しています。
【実際の自立援助ホームの外観と内観】
自立援助ホームへの入所経緯
入所経緯は様々ですが、「どこから入所したか?」によって大きく2つに分かれます。1つ目は、虐待や貧困、非行等で家庭からの入所が全体の4割ほどになります。2つ目は児童養護施設や児童自立支援施設など、他の社会的養護施設や里親家庭からの入所が4割ほどとなっています。
自立援助ホームへと入所に至るまでには、不安定な家庭環境や苛烈な養育環境を経験した子どもたちが多くいます。
自立援助ホームの仕事内容
- ■自立支援
自立援助ホームに入所してくる子どもたちは、基本的な生活習慣でなく、「他者を信頼すること」や「社会性」など、本来成長と共に獲得されているべき力が、その生い立ちから備わっていないことが少なくありません。
そのため、主体的に何かを決めたり、取り組んだりすることを苦手にしている場合が多く見られます。
自分一人で生活することだけを自立と捉えるのではなく、子どもたちの主体性を尊重した関りが必要になります。 - ■就労支援
自立支援の一環として就労支援も重要な仕事の一つです。
安定して就労が継続していけるように心身ともにサポートをします。
また新規の就労先の開拓や、就労先との連絡調整等も行っています。 - ■学習支援
入居している子どもたちは高校を中退している場合も多くあります。
就労や自立を目指す過程で、高校卒業資格や職業訓練校等での適切な学びを保証しています。 - ■アフターフォローと地域支援
他の社会的養護に関わる施設や関係機関と異なり、15歳から20歳(場合により22歳)までのわずかな期間で、社会での自立した生活を目指さなければなりません。
職員は入居している間、全力で子どもたちを支援していますが、退所後のアフターフォローも欠かすことができません。
必要に応じて就労先や行政機関、医療機関と連携しながら安定した自立をサポートしています。
〇参考
参照:全国自立援助ホーム協議会HP
参照:「自立援助ホーム運営指針」厚生労働省H
参照:「児童養護施設入所児童等調査の概要」厚生労働省HP