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児童の最善の利益

こどもに関するすべての事柄を決定する際に、最も優先して考慮されるべきという考え方です。「こどもの権利条約」の4つの一般原則の一つであり、日本の「こども基本法」でも基本理念として掲げられています。

ここで言う「利益」とは、こどもの権利がすべて保障され、心身ともに健やかに成長できること、つまり安全・安心や幸福(ウェルビーイング)と言い換えることができます。

意見表明権との関係


「最善の利益」を考える上で、こども自身の意見を聴くことは不可欠です。子どもの権利条約では、こどもが自分に関することについて意見を表明する権利(意見表明権)も保障しており、この二つの原則は密接に結びついています。

判断の難しさと重要性


一方で、「こどもの意見=最善の利益」とは限りません。例えば、こどもが「歯医者に行きたくない」と望んでも、将来の健康を考えれば治療を受けることが最善の利益となる場合があります。また、虐待などにより安全が脅かされている家庭に「帰りたい」とこどもが希望した場合も、その希望と最善の利益が一致しないことがあります。

このように、こどもの「最善の利益」は、唯一の正解があるわけではありません。おとな(保護者、支援者、行政、司法など)は、表明されたこどもの意見や気持ちを十分に尊重しながら、その子の年齢や発達段階、おかれている状況などを総合的に考慮し、対話を重ねて、その子にとっての最善は何かを探し続ける姿勢が求められます。

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