条約の基本的な考え方:権利の主体として
この条約の最も重要な点は、こどもを単に「保護の対象」として見るだけでなく、一人の人間として固有の権利を持ち、その行使の主体である「権利の主体」と位置づけたことです。
4つの権利の柱
条約で定められている権利は、大きく分けて以下の4つの柱で考えることができます。・生きる権利: 命が守られ、もって生まれた能力を最大限に伸ばせること。
・育つ権利: 教育を受け、休み、遊び、文化に親しみ、自分らしく成長できること。
・守られる権利: あらゆる種類の暴力、虐待、搾取、有害なものから守られること。
・参加する権利: 自分に関係のある事柄について自由に意見を表し、社会に参加できること。
4つの一般原則
これら全ての権利を考える上で基礎となる、4つの一般原則が定められています。
・差別の禁止: すべてのこどもは、どんな理由でも差別されず、権利が保障される。
・こどもの最善の利益: こどもに関することが決められる時は、こどもにとって最も良いことを第一に考える。
・生命、生存及び発達に対する権利: こどもの命が守られ、心も身体も健やかに成長できるよう保障する。
・こどもの意見の尊重: こどもは自分に関わる事柄について意見を表明する権利があり、おとなはその意見を十分に考慮する。
日本における取り組み
日本は1994年にこの条約を批准しました。以降、この条約の理念は、児童福祉法や児童虐待防止法などの改正に反映されてきました。そして2023年4月には、この条約の理念を国内で実現するための基本法として「こども基本法」が施行され、こどもの権利を社会全体で保障していく取り組みが本格化しています。
ています。
参照:日本ユニセフ協会「子どもの権利条約」(https://www.unicef.or.jp/crc/)