共依存のメカニズム:「支える」ことが自分の価値になるとき
共依存の核心には、「相手を支え、助けることで、自分自身の価値や存在意義を見出している」という、支援者側の心理が隠れている場合があります。
相手から頼られ、「自分がいなければこの人はダメだ」と感じることが、自分のアイデンティティを支える一部になってしまうのです。その結果、一見すると献身的な支援に見えても、無意識のうちに相手が自立しないようにコントロールしてしまい、かえって相手の問題を深刻化させるという、逆説的な状況が生まれます。
社会的養護の現場における例
施設職員が担当児童に対し、「この子は私がいなければ」という思いを強くしすぎるあまり、自分とこどもの間の健全な境界線(バウンダリー)が曖昧になってしまう。その結果、プライベートを犠牲にしたり、客観的な視点を失って支援にのめり込んだりしてしまいます。これは、こどもの健全な自立をむしろ阻害しかねない、非常に危うい状態です。
共依存から抜け出すために
共依存的な関係から抜け出し、健全な支援者であるためには、以下の点が重要です。
・健全な境界線を引く: 自分の問題と相手の問題を区別し、相手の人生に過剰に介入しない。
・自分自身のケア: 支援以外の活動(趣味や休息)を大切にし、自分の価値を「誰かの役に立つこと」だけに求めない。
・専門的な支援を受ける: スーパービジョンなどを定期的に受け、自分の実践を客観的に振り返り、一人で抱え込まない。
共依存は、親子や夫婦といった家族関係から、支援者とクライエント、職員同士まで、あらゆる人間関係で起こりうる問題です。