福祉における目標の変化:「マイナスをゼロへ」から「ゼロをプラスへ」
従来の福祉の主な目的は、貧困や病気、虐待といった「マイナス」の状態にある人を、まずは安全・安心な「ゼロ」の状態に戻すことでした。
一方で、ウェルビーイングが目指すのは、その先の「ゼロからプラスへ」の状態です。つまり、問題がない状態なだけでなく、一人ひとりが自分の権利や個性を尊重され、自己実現に向けていきいきと、自分らしい豊かな人生を送れる状態を目指す、という考え方です。
社会的養護とウェルビーイング
この考え方は、社会的養護においても非常に重要です。
施設や里親家庭で暮らすこどもたちに対して、ただ安全な衣食住を保障する(マイナス→ゼロ)だけでなく、その子が安心して信頼できる人と関わり、自己肯定感を育み、学校や遊びを楽しみ、将来に希望を持って自分らしく生きていける(ゼロ→プラス)ように支えること。これこそが、現代の社会的養骨が目指す、こどものウェルビーイングの実現です。
日本の「こども基本法」でも、すべてのこどもの「ウェルビーイング」の向上を社会全体で図ることが、基本理念の一つとして掲げられています。