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アタッチメント

こどもが、特定の養育者(おもに親)との間に築く、情緒的な絆(きずな)のことです。イギリスの精神科医ジョン・ボウルビィが提唱した理論で、こどもの心の健やかな発達の土台となる、極めて重要な概念です。

アタッチメントの2つの主な役割


アタッチメントが形成されると、養育者はこどもにとって以下の2つの役割を果たします。

1.安全基地(あんぜんきち):
こどもが安心して外の世界を探索し、様々な挑戦をするための「心のよりどころ」となる存在です。何かあっても「ここに戻れば大丈夫」という安心感が、こどもの好奇心や自立心を育みます。

2.安全な避難所(あんぜんなひなんじょ):
こどもが不安や恐怖、悲しみを感じた時に、駆け込んで慰めや保護を求めることができる「心の避難場所」です。この存在によって、こどもは情緒的な安定を得ることができます。

社会的養護におけるアタッチメントの重要性


社会的養護のもとで暮らすこどもたちの多くは、虐待や分離体験などにより、このアタッチメントが傷ついていたり、うまく形成できなかったりする経験を持っています。

そのため、児童養護施設や里親家庭では、職員や里親がこどもにとっての「安全基地」となり、安心できる環境の中で、傷ついたアタッチメントを修復し、新たな信頼関係を築き直していくことが、支援の最も重要な柱の一つとなります。特定の職員が担当になったり、施設を小規模化したりするのも、このアタッチメントの再形成を促すための工夫です。

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