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配偶者暴力防止法

正式名称は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」で、通称「DV防止法」とも呼ばれます。2001年に制定され、その後、社会の実態に合わせて何度も重要な改正が重ねられています。

【法律が対象とする「配偶者」と「暴力」の拡大】


この法律の大きな特徴は、改正によって保護の対象が広がってきた点にあります。

・対象となる「配偶者」:
法律上の婚姻関係にある相手だけでなく、事実婚の相手、そして離婚・関係を解消した後も続く元配偶者・元交際相手も含まれます。いわゆるデートDVの被害者も、この法律で保護される対象です。

・対象となる「暴力」:
制定当初は身体的暴力が中心でしたが、現在では精神的暴力(暴言、脅迫、無視など)、性的暴力も明確に暴力として定義されています。

【被害者を守るための「保護命令」制度】


この法律の大きな柱が、裁判所が加害者に対して出す「保護命令」です。被害者の申立てにより、以下のような命令を出して、被害者の安全を確保します。
 
 ・接近禁止命令: 被害者の身辺につきまとったり、住居や勤務先の近くをはいかいしたりすることを禁止する。
・退去等命令: 被害者が同居から逃れる準備をする間、加害者に家から退去することを命じる。
・子への接近禁止命令: 被害者の子どもへのつきまといなどを禁止する。

【近年の法改正の動き】


2024年の改正では、これまでの身体的・性的暴力に加え、生命や心身に重大な危害を受けるおそれが大きい精神的暴力(自由、名誉、財産への脅迫など)だけでも、保護命令の申立てが可能になるなど、被害者保護がさらに強化されています。
このように、DV防止法は、多様化する暴力の形態に対応し、被害者をより厚く保護するための法制度として、進化を続けています。

内閣府HP「配偶者からの暴力被害者支援情報」

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