ソーシャルワークの2つの視点
ソーシャルワークの大きな特徴は、以下の2つの視点を統合して実践される点にあります。
■ミクロ・ソーシャルワーク(個人への働きかけ):
困っている人やその家族に直接関わり、カウンセリングを行ったり、利用できる制度やサービス(資源)につないだりする、個別的な支援です。
■マクロ・ソーシャルワーク(社会への働きかけ):
個人の問題を生み出している社会の仕組みや制度そのものに目を向け、その改善を目指す活動です。例えば、新しい福祉サービスを地域に作ったり、法律や政策の改善を求めたりします。
中核となる価値観:エンパワメント
ソーシャルワークでは、支援者が一方的に何かをしてあげるのではなく、本人が本来持っている「力(ストレングス)」に焦点を当て、それを取り戻し、発揮できるよう支援する「エンパワメント」という考え方を非常に大切にします。
国際的な定義(グローバル定義)
これらソーシャルワークの理念や実践は、国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)などが2014年に採択した、以下の「グローバル定義」に集約されています。
「ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問です。社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学および地域・民族固有の知を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかけます。(後略)」
参照:日本ソーシャルワーカー連盟(JFSW)
URL: https://jfsw.org/definition/global_definition/