具体的な行為の例
以下のような行為が、心理的虐待にあたります。
・言葉による攻撃: 「死ね」「お前さえいなければ」といった暴言を浴びせる、人格を否定するような言葉を繰り返し言う。
・拒絶的な関わり・無視: こどもの存在を無視したり、話しかけても応じなかったりする。他のきょうだいと著しく差別的な扱いをする。
・脅迫: 言葉や態度で脅し、恐怖でこどもを支配する。
・面前DV(めんぜんディーブイ): こどもの目の前で、配偶者や他の家族に暴力をふるうこと。こどもが直接暴力を受けていなくても、それを見る(聞く)こと自体がこどもの心に深刻なトラウマを与え、重大な心理的虐待とされています。
その影響と現状
心理的虐待は、身体的な傷とは異なり、外からは見えにくい一方で、こどもの情緒の不安定、対人関係の困難、発達への遅れなどを引き起こす可能性があります。
全国の児童相談所が対応した児童虐待の中で、この心理的虐待が全体の約6割(59.5%、令和4年度)を占め、最も多い類型となっています。特に近年、警察から児童相談所への「面前DV」の通告が増加していることが、その大きな要因です。