親権は、こどもの財産を法的に管理する「財産管理権」と、こどもの身の回りの世話や教育、しつけを行う「身上監護権(しんじょうかんごけん)」という、2つの側面から成り立っています。
こどもの権利擁護と親権のあり方の変化
近年、こどもの権利擁護を強化するため、親権のあり方にも大きな変化がありました。
体罰の禁止: 2024年4月1日から施行された改正民法により、かつて存在した「懲戒権」の規定は削除され、親権者による体罰が明確に禁止されました。しつけに際しては、こどもの人格を尊重することが法律上明記されています。
親権の一時停止制度: 児童虐待からこどもを守るため、家庭裁判所が子の利益のために必要と認める場合に、親権を最長2年間、一時的に停止できる制度も整備されています。
離婚後の親権について
※現在の制度(〜2026年3月31日まで)
婚姻中の父母は、共同で親権を行使します。
しかし、離婚する際には、父母のどちらか一方を親権者と定めなければならず、離婚後はその親が単独で親権を行使します(単独親権)。
重要:2026年4月1日から、離婚後の「共同親権」が導入されます
2024年の民法改正により、2026年4月1日から、離婚後の親権制度が大きく変わります。
新しい制度では、離婚する際に、父母の協議によって「共同親権」か「単独親権」かを選ぶことができるようになります。協議で決まらない場合は、家庭裁判所が、こどもの利益を最も優先して、単独か共同かを判断します。
この歴史的な法改正は、離婚後も父母双方がこどもの養育に関わることで、こどもの健やかな成長を支えていこうという考え方に基づいています。