社会的養護の主な種類
親元で暮らせないこどもを社会で育てる「代替養育」には、こどもの状況に応じて様々な形態があります。現在の日本では、こどもが特定の大人との愛着関係のもとで育つことを重視し、可能な限り「家庭養護」を優先する方針が示されています。
1. 家庭養護
里親やファミリーホームなど、特定の養育者の家庭環境の中でこどもを育てる形態です。
里親: 様々な事情を持つこどもを、自身の家庭に迎え入れて養育する人(または家庭)。
ファミリーホーム: 経験豊かな養育者が、5〜6人のこどもたちと家庭を構成し、養育する事業。
2. 施設養護(こどもの養育)
専門的な機能を持つ施設で、職員がチームとなってこどもを育てる形態です。
乳児院: 主に2歳未満の乳幼児を養育します。
児童養護施設: 様々な事情により家庭で暮らせないこどもを養育します。
児童心理治療施設: 心理的な課題を抱えるこどもを専門的にケアします。
児童自立支援施設: 非行などの行動上の課題を抱えるこどもの自立を支援します。
3. 施設養護(親子の支援)
親子関係を維持・再構築しながら、親とこどもの生活を一体的に支える形態です。
母子生活支援施設: 様々な事情を抱える母子家庭などを保護し、母親の就労支援やこどもの健全な育成を含め、親子の生活と自立を一体的に支援します。
4.自立に向けた支援
自立援助ホーム: 原則15歳から22歳までの、施設や里親家庭を離れた若者のほか、様々な事情から家庭で生活することが困難な若者たちが、社会的な自立を目指して共同生活を送る「家」です。
これらすべての支援は、こどもの「最善の利益」を実現するために、互いに連携しながら行われています。