DSM-5が定める2つの主な特性
ASDの診断は、主に以下の2つの特性が、発達の早期から見られるかどうかで判断されます。
1. 社会的コミュニケーションおよび対人関係の困難さ
相手の気持ちを表情や口調から読み取ったり、その場の空気を読んだりすることが苦手で、対人関係を築く上で困難さを抱えることがあります。
(例)目が合いにくい、会話のやり取りが一方的になりがち、冗談や皮肉が通じにくい、友達作りに興味が薄い、など。
2. 限定された反復的な行動、興味、活動
特定の物事への強いこだわりや、決まった手順を繰り返すことを好み、変化に対応するのが苦手な傾向があります。
(例)決まった道順や手順に固執する、くるくる回るものを見続ける、興味のあるテーマ(電車、恐竜など)について話し続ける、大きな音や特定の肌触りを極端に嫌がる/好むといった感覚の過敏さや鈍感さ、など。
「スペクトラム」という考え方
これらの特性の現れ方は一人ひとり異なり、その程度も様々です。知的障害や言語の遅れを伴う人もいれば、そうでない人もいます。このように、虹のようにはっきりとした境界なく多様なグラデーションがあることから、「スペクトラム」と呼ばれています。